ピュリニーモンラッシェ プルミエクリュ レ・ルフェール2020/エティエンヌ・ソゼ

年末が近づき、街に少しずつクリスマスの気配が漂い始めると、自然と「特別な一本」を開けたくなる季節になります。

そんな気分にぴったりなのがエティエンヌ・ソゼのプルミエクリュ、レ・ルフェール。

石灰質に泥灰土が混じるこの区画は、ピュリニーの緊張感に、しっとりしたふくらみを与える場所。

ムルソー=シャルム上部に隣接するため、その魅力がより立体的に感じられます。

そして何より、ソゼが手がけるレ・ルフェールというだけで、すでに特別。

精緻さと気品を大切に育ててきた名門が、2020年の恵まれた果実を、美しくクリーンに表現した一本です。

冬のときめきにそっと灯りをともすような、静かな余韻が漂います。

Puligny Montrachet Referts 2020 / Etienne Sauzet

レ・ルフェール

ピュリニー・モンラシェの1級畑「レ・ルフェール」は、村の中でもムルソー寄りに位置し、石灰質の岩盤に泥灰土が豊富に混ざる独特の土壌が特徴です。

この土壌は、ピュリニーらしいミネラル感に、粘土由来のふくらみを重ねるのが特徴です。

そのため、味わいには端正な骨格とほどよい厚みが同時に感じられます。

畑の北側はムルソー1級シャルムの上部に接し、その地続きのテロワールを感じさせる位置関係にあります。

ピュリニーの端正なミネラル感に、ムルソー的なふくよかさが重なり、味わいに立体感が生まれるのがこの畑の魅力です。

規模は約5.5ha。

所有者の顔ぶれも豪華で、ルイ・カリヨン、アルノー・アント、ブノワ・アント、ジャン=フィリップ・フィシェなど、名だたる生産者が区画を持っています。

特にエティエンヌ・ソゼのレ・ルフェールは高い評価を受け、ピュリニーの1級畑の中でも「見逃せない一本」として知られています。

Etienne Sauzet

エティエンヌ・ソゼは、ピュリニー・モンラシェを語るうえで欠かせない名門ドメーヌのひとつです。

創立者エティエンヌ・ソゼ(1903–1975)は、12haの畑を一つにまとめ、ピュリニーのトップ生産者へと育て上げました。

その後、1974年に義理の息子ジェラール・ブドがドメーヌを継承。

現在は娘エミリーと義理の息子アノウ・リフォーが中心となり、伝統を守りつつ現代的な精度の高いワイン造りを実践しています。

ソゼが評価される理由は、徹底した畑管理と、過度な樽感に頼らない透明度の高いスタイルにあります。

買いブドウからもワインを造り、自社畑と同じ基準で選果・醸造するため、品質に大きなブレがありません。

特に1級以上のピュリニーは国際的な評価も高く、その純度の高さ、均整のとれた酸とミネラル感は「エレガンスの教科書」と呼ばれるほど。

レ・ルフェールやレ・ペリエールなど、重要区画を複数所有している点もソゼの特別感を支えています。

Puligny Montrachet Referts 2020

2020年のブルゴーニュは、全体的に日照と気温に恵まれたヴィンテージで、白ワインも凝縮度が高く、果実の熟度と酸のバランスがうまく取れた年です。

ソゼのレ・ルフェール 2020は、その良さを美しく体現した一本で、香りには白い花、レモンの皮、洋梨、そしてわずかに焼き菓子のニュアンス。

品のある香りの奥に、畑由来のふくよかさがじんわりと感じられます。

口に含むと、ピュリニーらしい緻密なミネラルと縦のラインが先に現れ、すぐに2020年らしい熟した果実味が広がります。

粘土を多く含む土壌の影響で、味わいには厚みがありながら、決して重さに傾かず、芯のある構成が印象的。

余韻には塩味を伴うミネラルと、柔らかい果実の香りが長く続きます。

ペアリング

レ・ルフェールの持つ「端正さ × やわらかな厚み」は、料理の幅を広く楽しめる万能タイプです。

まず相性が良いのは、白身魚のバターソテーや帆立のグリルなど、ミネラルと優しい甘みをもつ食材。

香りの華やかさが料理の風味を立ち上げ、ソースとワインの質感が美しく重なります。

ムルソー寄りのふくらみを感じるため、鶏のクリーム煮、フリカッセ、白いきのこを使った温かい料理とも好相性。

また、2020年の豊かな果実味は、オマール海老や蟹のような旨味の強い甲殻類にも合いやすく、冬の贅沢な食卓にぴったりです。

SHINOWINE であれば、鶏出汁おでんの「大根+柚子胡椒」などの繊細な旨味にもよく馴染みます。

まとめ

レ・ルフェールは、ピュリニーの緻密さとムルソー的なふくよかさがほどよく重なる、唯一無二の魅力をもつ1級畑です。

そこへソゼの精度の高いワイン造りが加わることで、2020年は特に、果実の豊かさと気品がきれいに調和した仕上がりになっています。

クリスマスや年末の特別な夜に、グラスをゆっくり傾けたくなる一本です。

SHINOWINEでは、こうした“ちょっと特別なピュリニー”も気軽に楽しんでいただけるよう、丁寧に温度管理してご用意しています。

季節の料理と合わせて、冬のひとときを楽しんでいただけたら嬉しいです。

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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