ムルソー クロ・ド・ラ・バール2020/ドメーヌ・デ・コント・ラフォン

ムルソーの中でも、どこか静かな存在感を放つ畑、クロ・ド・ラ・バール。

コント・ラフォンが単独所有するこの区画は、もともとラフォン家の裏庭だった場所で、石の多い土壌がもたらす張りのある酸と、透明感のあるミネラル感が特徴です。

開花は早いものの成熟には時間がかかり、収穫は周囲より遅め。

その分、芯の強さと熟成への耐性を備えたワインが生まれます。

2020年は果実の充実感と輪郭の美しさが自然に調和し、若さの中にすでにこの畑らしい落ち着きが感じられるヴィンテージ。

ムルソーの奥行きを、ゆっくり味わいたい一本です。

 

Meursault Clos de la Barre 2020 / Comtes Lafon

Comtes Lafon

ドメーヌ・デ・コント・ラフォンは、ムルソーを本拠地とするブルゴーニュ屈指の名門ドメーヌです。

起源は19世紀後半に遡り、1894年にコント・ジュール・ラフォンが現在の礎を築きました。

モンラッシェやムルソーの一級畑をはじめ、恵まれた区画を数多く所有し、長く白ワインの最高峰として知られてきました。

1985年からはドミニク・ラフォンが指揮を執り、畑ごとの個性をより明確に表現する方向へと進化。

1990年代後半からはビオディナミ農法を本格的に導入し、現在ではその哲学がドメーヌの核となっています。

ワインは過度な操作を避け、果実の純度とテロワールの緊張感を大切にしたスタイル。

豊かさの中に凛とした芯があり、時間とともに真価を発揮する熟成力も大きな魅力です。

 

クロ・ド・ラ・バール

クロ・ド・ラ・バールは、ムルソー村に位置するドメーヌ・デ・コント・ラフォンの単独所有畑です。

もともとはラフォン家の屋敷の裏庭として使われていた区画で、現在も塀に囲まれた「クロ」の形を保っています。

畑は石の多い土壌が特徴で、水はけが良く、ワインには明確なミネラル感と引き締まった酸が現れます。

この区画のブドウは開花が早い一方で成熟には時間がかかり、周囲よりも収穫が遅くなることが多いのも特徴です。

そのため、果実の凝縮感だけでなく、骨格のしっかりした長期熟成向きのワインが生まれます。

ムルソーらしい豊かさの中に、どこか緊張感と静けさを備えたスタイルは、この畑ならでは。

華やかさよりも奥行きと持続性を重視する、ラフォンを象徴する区画のひとつです。

 

ムルソーとクロ・ド・ラ・バールの比較

ドメーヌ・デ・コント・ラフォンのムルソー(畑名表記なし)は、複数の村内区画をブレンドしたワインで、ムルソーらしいふくらみと親しみやすさを素直に表現しています。

果実の熟度は高く、口当たりはなめらかで、若い段階からバランスの良さを感じられるのが特徴です。

ラフォンらしい張りのある酸とミネラルは備えつつも、全体の印象は穏やかで、ムルソーの魅力をわかりやすく伝える一本と言えます。

一方、クロ・ド・ラ・バールは単一区画ならではの個性が際立ちます。

石の多い土壌に由来する硬質なミネラル感と、引き締まった酸が骨格を形づくり、若いうちはやや内向的な印象を与えることもあります。

しかし時間とともに輪郭がほどけ、奥行きと持続性が前面に現れてきます。

同じムルソーでありながら、村名は「広がり」、クロ・ド・ラ・バールは「芯の強さ」。

ラフォンの哲学を畑の違いで体感できる、好対照の2本です。

Meursault Clos de la Barre 2020

ムルソー村に位置するクロ・ド・ラ・バールは、ドメーヌ・デ・コント・ラフォンが単独所有する由緒ある区画です。

石の多い土壌と水はけの良さが、引き締まった酸と明確なミネラル感をもたらし、ムルソーの中でも特に芯の強いスタイルを生み出します。

2020年は温暖な年らしく果実の成熟度が高く、グラスには熟した柑橘や白い果実のニュアンスが穏やかに立ち上がりますが、味わいは決して重くなりすぎず、張りのある構造が全体を支えています。

若いうちはやや内向的ながら、時間とともに果実とミネラルがなじみ、奥行きのある表情へと変化していくのがこのワインの魅力。

豊かさと緊張感が自然に共存し、今後の熟成によってさらに完成度を高めていくことが期待されるヴィンテージです。

ムルソーの持つ懐の深さを、静かに実感できる一本と言えるでしょう。

 

ペアリング

クロ・ド・ラ・バールの持つ引き締まった酸と明確なミネラル感は、素材の旨みを丁寧に引き出した料理と好相性です。

おすすめは、バターや生クリームを強く使いすぎない白身魚のソテーや、帆立、甘鯛などの火入れを抑えた料理。

魚介の持つ甘みと、ワインの緊張感ある輪郭が美しく重なります。

また、鶏肉のローストや、鴨の軽い火入れの前菜など、脂はあるが重さを感じさせない料理ともよく合います。

チーズであれば、コンテやボーフォールの若い熟成がおすすめ。

ナッツのような風味がワインのミネラルと共鳴し、味わいに奥行きを与えてくれます。

濃厚さで合わせるよりも、質感と余韻を意識したペアリングが、このワインの魅力を最も引き立てます。

時間をかけて向き合いたい一杯だからこそ、料理も静かに寄り添う構成が理想的です。

 

まとめ

クロ・ド・ラ・バールは、ムルソーというアペラシオンの中でも、華やかさより構造と奥行きを大切にした一本です。

単独所有畑ならではの明確な個性があり、果実の豊かさの奥に、静かな緊張感と熟成への余白が感じられます。

2020年はその魅力が無理なく表れ始めている年で、今は輪郭を、これからは深みを楽しめるタイミング。

すぐに分かりやすいムルソーとは少し違い、ゆっくり向き合うことで本質が見えてくるワインです。

肩肘張らず、グラスの中の変化を楽しみながら、ムルソーのもう一歩奥へ。

そんな時間を過ごしたい方に、ぜひおすすめしたい一本です。

 

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

SHINOWINE サイトトップへ→