ヴォーヌ・ロマネの南側、ラ・ターシュの下方に広がる一級畑レ・ショーム。
標高はやや低く、粘土分を含む土壌から生まれるワインは、繊細さの中にしっかりとした骨格を備えています。
2014年のArnoux-Lachauxは、果実の純度と張りのある構造が印象的で、ヴォーヌ・ロマネらしい気品に、レ・ショーム特有の奥行きが静かに重なります。
時間が経つにつれて、果実の奥からヴォーヌ・ロマネらしい気品と落ち着きが表れてきます。
Vosne Romanee Chaumes 2014 / Arnoux Lachaux (Robert Arnoux)
Arnoux Lachaux
アルヌー・ラショーは、ヴォーヌ・ロマネを本拠地とするドメーヌで、長く創設者ロベール・アルヌーの名のもと、「ドメーヌ・ロベール・アルヌー」として知られてきました。
畑の個性を尊重し、過度な抽出や樽使いに頼らない端正なスタイルは、この地の伝統的な美質を体現するものとして高く評価されています。
2000年代に入り、ロベールの娘婿であるパスカル・ラショーがドメーヌに参画。
醸造と経営の両面で徐々に役割を担うようになり、世代交代が進められていきました。
これに伴い、ドメーヌ名は「アルヌー・ラショー(Domaine Arnoux-Lachaux)」へと改められます。
2014年は、ロベールの哲学を受け継ぎながら、新しい体制への移行が穏やかに進んでいた時期にあたり、伝統的なヴォーヌ・ロマネの気品と、果実の純度を大切にする姿勢が共存するスタイルが感じられるヴィンテージです。
Chaumes
レ・ショームは、ヴォーヌ・ロマネ村の南側に位置する一級畑で、名高いラ・ターシュの下方に広がる区画として知られています。
村内の一級畑の中では標高がやや低く、傾斜も比較的穏やかで、土壌には粘土分が多く含まれるのが特徴です。
そのため、力強いミネラル感を前面に出すタイプというより、果実のふくらみやなめらかな口当たりが現れやすい畑とされています。
レ・ショームのワインは、ヴォーヌ・ロマネらしい気品を備えながらも、親しみやすさのある味わいが魅力です。
赤系果実を思わせる香りに、柔らかな質感が重なり、時間とともに全体のまとまりが増していきます。
一級畑らしい奥行きと熟成の可能性を持ちながら、土地の個性を穏やかに表現する存在として、ヴォーヌ・ロマネの多様性を伝えてくれる畑といえるでしょう。
Vosne Romanee Chaumes 2014
ヴォーヌ・ロマネ村南側、ラ・ターシュの下方に位置する一級畑レ・ショームは、果実のふくらみとしなやかさを備えたワインを生むことで知られています。
標高は比較的低く、粘土分を含む土壌由来のやわらかな質感が特徴で、ヴォーヌ・ロマネらしい気品を穏やかに表現する畑です。
アルヌー・ラショーは、2008年ヴィンテージからそれまでの「ロベール・アルヌー」名義を改め、娘婿パスカル・ラショーのもとで新たな体制へと移行しました。
2014年はその流れが定着しつつあった時期にあたり、果実の純度が高く、口当たりは落ち着いた印象。
時間が経つにつれて、果実の奥からヴォーヌ・ロマネらしい上品さと静かな深みが現れてきます。
派手さに頼らず、畑と造り手の個性を丁寧に味わいたい一本です。
ペアリング
レ・ショーム2014の持つ、やわらかな果実味と落ち着いた気品は、素材の味わいを大切にした料理とよく合います。
力強さを前面に出す料理よりも、火入れや香りに余白のある一皿が理想的です。
まずおすすめしたいのは、SHINOWINE定番の鴨コンフィ。
鴨の旨みと皮目の香ばしさが、ワインの赤い果実のニュアンスと自然に重なり、重たくなりすぎず、心地よい一体感を生み出します。
赤身肉であれば、ローストした仔羊や、軽くスパイスを効かせた仔牛も好相性です。
チーズなら、熟成を抑えたコンテやトム・ド・サヴォワのようなセミハードタイプがおすすめ。
ミルキーなコクがワインのやわらかな質感を引き立て、余韻に静かな広がりをもたらします。
華美な組み合わせではなく、素材同士が自然に調和するペアリングで、このワインの魅力をじっくり味わってみてください。
まとめ
ヴォーヌ・ロマネ一級畑レ・ショームの魅力は、華やかさだけに頼らない、穏やかで品のある表情にあります。
2014年のアルヌー・ラショーは、果実の純度とやわらかな質感が印象的で、時間とともにこの村らしい気品が静かに広がっていきます。
ドメーヌ名がアルヌー・ラショーへと改められてから数年が経ち、新体制が定着しつつあった時期の一本として、そのバランスの良さも魅力です。
落ち着いた赤ワインをゆっくり楽しみたい夜に、料理とともに向き合いたい一本。

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。
2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。
SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。
お料理もできる限り手作りにこだわりました。
看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。
一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。
皆様のご来店をお待ちしております。
SHINOWINE
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階
