バタール=モンラシェ2016/エティエンヌ・ソゼ

バタール・モンラッシェは、モンラッシェの名を冠する特級畑の中でも、豊かなボディと骨格の大きさで知られる存在です。

斜面下部に位置し、粘土質を含む厚みのある土壌から生まれるワインは、重心が低く、包み込むようなスケール感が魅力。

2016年は春の霜害という試練を経ながらも、夏以降は安定した成熟を迎え、果実の密度と酸のバランスに優れたクラシックな年となりました。

エティエンヌ・ソゼが手がけるこの一本も、バタールらしい力強く引き締まった印象から、時間とともにやわらかさが感じられてきます。

 

Batard Montrachet 2016 / Etienne Sauzet

Etienne Sauzet

エティエンヌ・ソゼは、ピュリニー・モンラッシェを代表する名門ドメーヌのひとつ。

創設者エティエンヌ・ソゼ(1903–1975)は、点在していた畑を集約し、ドメーヌの礎を築きました。

1970年代以降は娘婿のジェラール・ブドが継承し、品質重視の姿勢を一貫。

2006年から有機栽培を導入、2010年にはビオディナミへ移行し、畑の個性をより明確に表現するスタイルへと進化しています。

収穫は手摘み、選果を徹底し、果実の純度を重視。新樽比率は抑制的ながら、特級では高めに設定され、構造と熟成力を備えたワインに仕上げられます。

ピュリニーらしい張りのある酸とミネラル感に、奥行きと気品を備えたスタイルが、ソゼの魅力です。

Batard Montrachet

バタール・モンラッシェは、モンラッシェ、シュヴァリエ、ビアンヴニュと並ぶ白ワインの特級畑で、力強さと量感に優れたスタイルで知られています。

斜面下部に位置し、粘土質を多く含む厚みのある土壌が特徴で、地下水位が比較的高い区画もあり、果実には自然なふくらみと重心の低さが生まれます。

ワインは骨格が大きく、豊かなボディと熟した果実味を備え、エレガンスよりも力感や存在感が前に出やすいのがバタールの個性。

隣接するピュリニー側とシャサーニュ側で表情は異なりますが、共通して長い熟成に耐える構造を持っています。

若いうちは引き締まり、時間の経過とともに奥行きと複雑さを増していく点も魅力で、飲み頃を迎えた際には、特級畑ならではのスケール感をはっきりと感じさせてくれます。

Batard Montrachet 2016

2016年のバタール・モンラッシェは、厳しい自然条件を乗り越えて生まれた、クラシックな魅力を備えたヴィンテージです。

春の遅霜により収量は大きく減少しましたが、その分、残ったブドウは凝縮感と明確な輪郭を備えて成熟しました。

バタール特有の豊かなボディや量感は健在でありながら、2016年らしい緊張感のある酸が全体を引き締め、重たさを感じさせません。

若いうちは引き締まった印象が前に出ますが、時間の経過とともに果実のふくらみと質感のなめらかさが現れ、味わいに奥行きが加わっていきます。

力強さと端正さがバランスよく共存し、熟成による変化も大きく期待できる年。

バタール・モンラッシェという特級畑の個性を、静かに、しかし確かに伝えてくれる一本です。

ペアリング

バタール・モンラッシェ2016の豊かなボディとしっかりした骨格には、旨みとコクを備えた料理がよく合います。

おすすめは、バターやクリームを使った鶏肉や仔牛の料理。

ソテーや軽い煮込みのように、素材の甘みを引き出す調理法がワインの量感と自然に重なります。

また、白トリュフやきのこ類を使った料理とも好相性で、ワインの持つ奥行きやミネラル感が、香りのニュアンスをより立体的に感じさせてくれます。

魚料理であれば、ロブスターやホタテのバター焼きなど、火入れによって旨みを高めた一皿がおすすめ。

チーズは熟成感のあるコンテやボーフォールが好相性で、ナッツのような風味がワインの厚みを受け止めます。

重心の低い味わいを生かし、シンプルながら満足感のある組み合わせを楽しみたい一本です。

まとめ

バタール・モンラッシェ2016は、特級畑らしいスケール感と、2016年ならではの引き締まった輪郭をあわせ持つ一本です。

豊かなボディの中に酸がきれいに通り、時間とともにやわらかさが感じられてくる表情の変化も魅力。

力強さだけでなく、静かな奥行きを楽しめる点に、このワインの本質があります。

SHINOWINEでは、落ち着いた空間の中で、料理とともにゆっくり向き合っていただきたいワインとしてご用意しています。

グラスの中で少しずつ開いていく変化を感じながら、特別な夜の一杯としてお楽しみください。

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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