ブルゴーニュ(シャルドネ・ピノノワール)テール・ド・ファミーユ2022/ヴ―ジュレ―

年の瀬が近づき、街にもほのかな冬の気配が漂い始める頃。

ふと、「今日はワインをゆったり楽しみたい」と思う夜にぴったりなのが、Domaine de la Vougeraie(ドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレ)の「Terre de Famille」シリーズです。

ブルゴーニュの伝統と地質を活かしたこのシリーズは、「家族の土地(=Famille)」という名の通り、複数の区画から厳選したブドウを使い、ひとつのまとまりあるワインに仕上げられています。

2022年ヴィンテージでは、ピノ・ノワールはしなやかな赤果実と土っぽさ、柔らかなスパイスが香り、渋みがほどよく感じられます。

一方、シャルドネは粘土石灰質の土壌がもたらすミネラルと繊細な酸、優雅なオークのニュアンスが感じられ、穏やかな時間を演出します。

肩ひじ張らず、でもしっかりとした品質と個性を楽しめる。

家飲みのはじめの1本として、そしてブルゴーニュの魅力を知るきっかけの1本として、この2本の「Terre de Famille」はまさに理想的です。

Bourgogne Pinot Noir /Bourgogne Chardonnay “Terre de Famille”2022 / Vougeraie

Domaine de la Vougeraie

ドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレ(Domaine de la Vougeraie)は、ボワセ・ファミリー(Boisset Family)が手がける高品質ワイナリーとして知られ、1999年に複数の家族所有畑を統合して誕生しました。

ヴージュ川(La Vouge)の名を冠し、その流域に広がる畑を中心に、現在ではコート・ド・ニュイからコート・ド・ボーヌまで約40ヘクタールの畑を所有しています。

最大の特徴は、創設当初から徹底して取り組んできたビオディナミ農法。

土壌の生命力を尊重し、化学的介入を極力排した栽培を続けることで、テロワールそのものの表情をワインに映し出すことを目指しています。

区画ごとに細かく醸造を分ける姿勢もヴージュレの哲学のひとつで、単一畑のクリマから、複数区画をまとめたブルゴーニュ・クラスまで、スタイルを問わず一貫して透明感のある味わいが特徴です。

また、特級畑クロ・ド・ヴージョをはじめ、プルミエ・クリュや名高い村名畑も数多く所有しており、ラインナップは非常に豊か。

けれど、どのワインにも共通しているのは、“清らかさ”と“素直な果実味”です。

華美に飾るのではなく、畑の声をそのまま届ける——それがドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレが大事にしてきたスタイルであり、多くの愛好家を惹きつける理由でもあります。

Bourgogne Pinot Noir “Terre de Famille”2022

「Terre de Famille」ブルゴーニュ・ピノ・ノワール 2022 は、コート・ド・ニュイを主体に、ほんの少しコート・ド・ボーヌの区画も含めたブドウで仕立てられた1本です。

複数のテロワールをまとめながらも、ヴージュレらしい透明感と自然な果実味がしっかりと感じられるスタイルが魅力です。

栽培はもちろんビオディナミ。

収穫は2022年9月に数日に分けて丁寧に行われ、セラーでも人工酵母を使わず、重力を活かしたやさしい扱いで醸造されます。

発酵前の低温マセレーションや、過度な抽出を避けた穏やかなルモンタージュ※により、果実の純度と繊細さを保つ造り。

熟成は新樽20%を含むオーク樽で約9か月、その後ステンレスタンクで落ち着かせ、2023年に瓶詰めされました。

仕上がりは、チェリーや赤い果実のきれいな香りに、ほのかなスパイスと土のニュアンス。

口あたりは軽やかで、ほどよい渋みが味わいの輪郭を整え、最後まで自然で優しい余韻が続きます。

気負わず飲めるのに、ふとした瞬間に“あ、ブルゴーニュだな”と感じられる、そんなバランスのよいピノ・ノワールです。

※発酵中の果皮や果肉を、タンクの下から上へと混ぜ返す作業。

ペアリング

「Terre de Famille」ブルゴーニュ・ピノ・ノワール 2022 は、軽やかで澄んだ果実味と、ほどよい酸が心地よい1本。

主張が強すぎず、それでいて料理の味わいをきれいに受け止めてくれるため、合わせられる幅がとても広いのが特徴です。

まず試したいのは、鶏肉や豚肉の素朴なロースト。

赤い果実のフレッシュさが肉の甘みを引き立て、脂を軽く流してくれるので、食べ疲れしにくい組み合わせです。

鶏もも肉のグリルやポークソテー、鴨のローストなど、火入れがやさしい料理とよく合います。

また、ピノ・ノワールらしい土のニュアンスが、きのこ料理と自然にマッチ。

マッシュルームのソテー、きのこを使ったパスタ、ポルチーニのクリームリゾットなどは特に相性が良い組み合わせです。

軽めの赤身肉のタルタル、生ハムや白カビ系チーズなど、塩味や旨みがポイントの料理も、ワインの透明感を損なうことなく楽しめます。

SHINOWINEのメニューで言えば、鴨コンフィ、鶏出汁のおでん(大根・たまご)が特におすすめ。

ワインの軽快さが、出汁や食材の穏やかな旨みをすっと引き立ててくれます。

「重すぎない料理」を選ぶと、この2022年のピノ・ノワールの魅力がいちばん素直に楽しめます。

Bourgogne Chardonnay “Terre de Famille”2022

「Terre de Famille」ブルゴーニュ・シャルドネ 2022 は、コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌ双方の区画から厳選したブドウを使い、ヴージュレが大切にしてきたテロワールを素直に映し出す1本です。

ビオディナミで育てられた果実は、過度な介入を避けた醸造によって、みずみずしさと透明感をしっかりと保っています。

収穫は2022年9月に複数日に分けて丁寧に行われ、セラーでは重力を活かしたやさしい搬入、人工酵母を使わない自然発酵、澱とともに進める発酵が特徴。

熟成はオーク樽でおよそ10か月(うち新樽20%)、その後ステンレスタンクで落ち着かせ、2023年夏に瓶詰めされています。

樽の使い方は控えめで、香り付けというよりも輪郭を整える役割に徹するスタイルです。

仕上がったワインは、白い花や柑橘、洋梨のような香りに、ほのかにオークのニュアンスが重なり、清らかで上品な印象。

口あたりは柔らかく、伸びのある酸がすっきりとした流れをつくります。

ミネラル感もほどよく、軽快さと落ち着きのバランスがとても良い仕上がりです。

派手さよりも“素直なおいしさ”を大切にした、まさにヴージュレらしいブルゴーニュ・シャルドネ。

日常の食卓にも、ちょっとしたご褒美の一杯にも活躍する1本です。

ペアリング

「Terre de Famille」ブルゴーニュ・シャルドネ 2022 は、爽やかな柑橘のニュアンスと柔らかな果実味に、ほのかにオークが重なる上品なスタイル。

旨みのある食材との相性が特に良く、“白ワインだからこそ生きる”組み合わせが楽しめます。

まずおすすめしたいのは、魚介の出汁を感じる料理。

アサリやハマグリの酒蒸し、エビやホタテのグリルなど、旨みがじわっと広がる一皿に、シャルドネの酸がすっきりとした流れをつくってくれます。

レモンを少し添える料理なら、ワインとの一体感がさらに強まります。

また、フレッシュチーズやハーブを使った料理とも好相性。

リコッタとハーブのカナッペ、ディルを効かせたポテトサラダ、カッテージチーズのサラダなど、軽やかで香りのある料理との組み合わせが抜群です。

野菜料理では、アスパラガス、フェンネル、セロリ、ロマネスコなど、みずみずしさと香りを持つ野菜がぴったり。

オリーブオイルと塩だけのシンプルなローストやマリネでも、ワインの清らかさが活きます。

まとめ

ヴージュレの「Terre de Famille」シリーズは、華やかさよりも“素直なおいしさ”を大切にしたワインです。

2022年のピノ・ノワールとシャルドネは、どちらも果実味と酸のバランスがよく、日常の一杯としても、ご褒美の軽い一皿と合わせても楽しめる仕上がり。

ブルゴーニュの入り口としても、長く飲み続けたい定番としても魅力があります。

SHINOWINEでは、季節の料理や出汁を使ったやさしい味わいの一品と合わせて、ワインの自然な美味しさをゆったり味わっていただけます。

静かな夜にふらりと立ち寄ってくださっても、しっかり楽しめるラインナップをご用意しています。

肩ひじ張らず、でも確かな品質のブルゴーニュを飲みたい日に、ぜひ気軽にお越しください。

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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