ミュジニー・グラン・クリュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ2017/コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ

ミュジニーは、ブルゴーニュの中でも別格と評されるグラン・クリュ。

その中核を成す最大の所有者が、ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエです。

Musigny V.V. 2017 は、主に1940〜1960年代に植えられた古樹から生まれるキュヴェで、畑の中心部に位置する区画を含みます。

果実味の密度や構造はきわめて精緻でありながら、力で押すのではなく、時間とともに深みを増していくのがこのワインの本質。

偉大な年であっても長い熟成を前提とし、静かに完成へ向かう、ミュジニーの真価を体現する一本です。

 

Musigny V.V. 2017 / Vogue

Vogue

ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエは、シャンボール・ミュジニー村を代表する名門のひとつ。

とくにミュジニー・グラン・クリュ最大の所有者として知られ、その歴史は中世にまでさかのぼります。

18世紀以降は同族による継承が続き、1925年にジョルジュ・ド・ヴォギュエ伯が現在のドメーヌの基礎を築きました。

現在は、エリック・ブルギニョンがブドウ栽培を、フランソワ・ミエが醸造を担当。

畑仕事はほぼ有機農法に近い手法で行われていますが、認証の取得を目的とするのではなく、低収量と丁寧な剪定によってブドウ本来の質を引き出すことを重視しています。

醸造では過度な抽出を避け、ミュジニーらしい気品と透明感、そして長い熟成に耐える構造を大切にしたスタイル。

華やかさの奥に静かな深みを備えたヴォギュエのワインは、この畑の本質を穏やかに伝えてくれます。

 

ミュジニー

ミュジニーは、シャンボール・ミュジニー村に位置する特級畑で、ブルゴーニュ全体の中でも特別な存在として語られてきました。

畑の総面積は約10.85haと小さく、長い歴史の中で大きく分割されることなく、現在も限られた生産者によって所有されています。

地勢はなだらかな傾斜を持ち、上部には石灰岩が多く、下部にかけて粘土質が増す複雑な構造。

水はけの良さと保水性を併せ持ち、ブドウがゆっくりと成熟する環境が整っています。

ミュジニーは赤ワインだけでなく、白ワインの生産も認められている数少ない特級畑で、その点からも畑の完成度の高さがうかがえます。

ワインは力強さよりも、香りの広がりや奥行き、そして長い熟成によって完成していく持続性が特徴。

派手さは控えめながら、時間とともに真価を現す、まさにブルゴーニュを象徴するグラン・クリュです。

 

Musigny V.V. 2017

Musigny V.V. 2017 は、ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエが所有するミュジニーの中でも、主に古樹区画から造られるキュヴェ。

畑の中心部を含み、樹齢の高さに由来する果実の凝縮感と、ミュジニーらしい気品ある構造をあわせ持っています。

2017年は比較的穏やかな成熟を迎えた年で、果実の輪郭が明確で、タンニンもきめ細かく整っています。

若い頃に感じられがちな硬さは次第にほどけ、現在は香りと味わいが自然につながり始める段階。

赤系果実の繊細なニュアンスに、時間とともに奥行きが加わり、ミュジニー本来の静かな広がりを楽しめます。

長期熟成のポテンシャルを備えながらも、今だからこそ感じられるバランスの良さが魅力の一本です。

 

ペアリング

Musigny V.V. 2017 は、繊細さと奥行きをあわせ持つワインのため、料理も主張しすぎないことが大切です。

おすすめは、旨みがゆっくりと広がるクラシックな肉料理。

たとえば、鴨のローストや軽く火入れした仔羊は、赤系果実のニュアンスと自然につながり、タンニンのきめ細かさをより心地よく感じさせてくれます。

ソースは重くせず、ジュや軽い赤ワインソース程度に抑えるのが理想的です。

また、熟成によって現れ始めた複雑さを楽しむなら、きのこを使った料理も好相性。

ポルチーニやマッシュルームのリゾット、シンプルなソテーは、ワインの奥にある土やスパイスのニュアンスを引き立てます。

チーズであれば、過度に熟成の進んだものではなく、コンテやトム系のように旨みと塩味のバランスが穏やかなタイプがおすすめ。

料理とワインが静かに重なり合うことで、ミュジニーの真価がより立体的に感じられます。

 

まとめ

Musigny V.V. 2017 は、ミュジニーという特別な畑と、ヴォギュエの哲学が静かに重なり合った一本。

長い熟成を前提としながらも、今は果実と構造が自然につながり、グラン・クリュ本来の奥行きを素直に楽しめる時期に入っています。

決して派手ではありませんが、グラスを重ねるごとに印象が深まり、時間をかけて向き合いたくなるワインです。

特別な一本だからこそ、構えすぎず、落ち着いた空間でゆっくり味わっていただきたい。

ミュジニーの魅力を、今この瞬間の表情とともに楽しめる一杯をご用意しています。

 

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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