シャンボール・ミュジニー・プルミエクリュ2014/コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ

肌寒くなる夜が増えてきて、落ち着いて赤ワインを楽しみたい気分のときにおすすめなのがヴォギュエのシャンボールミュジニー。

このワインの面白さは、“ミュジニーの若樹だけ”で仕立てられていること。

あの偉大なグラン・クリュの区画から生まれた樹のエネルギーを、少し軽やかなスタイルで味わえる特別なキュヴェです。

2014年らしい澄んだ果実の伸びがきれいで、香りにはミュジニーらしい気品もそっと漂います。

気負わず飲めるのに、どこか凛とした表情を感じるのが魅力。

秋の夜にしっとり寄り添ってくれる一本です。

 

Chambolle Musigny 1er Cru 2014 / Vogue

Vogue

Domaine Comte Georges de Vogüé は、シャンボール・ミュジニーを語る上で欠かせない名門ドメーヌです。

約20ヘクタールの自社畑を持ち、その中心にあるのが名声をほしいままにするグラン・クリュ「ミュジニー」。

実にミュジニーの約7割を所有しており、その存在感は圧倒的です。

このドメーヌを特徴づけるのは、畑への真摯な姿勢と品質への妥協のなさ。

特に有名なのが、“若樹はミュジニーと名乗らない”という厳格な哲学。

ミュジニーにふさわしい熟度と表現力に達していなければ、たとえ畑はミュジニーでも、1er Cru や Bourgogne Blanc としてリリースします。

これは自らの看板に対する強い責任感の表れです。

スタイルはしなやかで気品のある佇まいを持ちつつ、芯のあるストラクチャーが美しく、年を重ねるごとに深みが引き出されるタイプ。

華奢に見えて実は強さを秘めた、シャンボールらしさの象徴ともいえる造りです。

伝統と緻密さが共存するヴォギュエのワインは、“特別な一本”を開けたいときに真っ先に思い浮かぶ存在です。

ブルゴーニュの“格下げ”の仕組み

ブルゴーニュのワインには、「上の格付けのブドウでも、あえて下のアペラシオン名でリリースできる」という、ちょっと意外なルールがあります。

たとえばミュジニーのブドウを使っていても、1er Cru や村名として発売してよい、というもの。

「本来グラン・クリュなのに、なぜ?」と思いますよね。

実はAOC制度は“上の格付けほど厳しい条件を満たす=下位の条件も当然クリアしている”という考え方で成り立っています。

そのため、上位から下位への格下げは自由ですが、逆に下位から上位へ“名乗りを格上げ”することは絶対に禁止。

ドメーヌによっては「若木はまだミュジニーの名にふさわしくない」と判断して、あえて1er Cruとして出すケースもあります。

ボギュエのような生産者の哲学が反映された選択です。

ラベルは控えめでも、中身はミュジニーそのもの──そんな魅力的な一本が存在するのも、ブルゴーニュの奥深さと言えます。

 

Chambolle Musigny 1er Cru 2014

Domaine Comte Georges de Vogüé の Chambolle-Musigny 1er Cru 2014 は、ミュジニーの若い樹のみで仕立てられる特別なキュヴェです。

土壌は紛れもなくミュジニーのものですが、若樹らしいみずみずしさを重視し、ヴォギュエはあえて 1er Cru としてリリースしています。

そのため“軽やかさの中にミュジニーの気品がそっと息づく”独自のスタイルが魅力です。

2014年はブルゴーニュにとってクラシックで端正な年で、きれいな酸と赤系果実の明るさが特徴。

このワインにもその個性が美しく現れており、ラズベリーやチェリーのピュアな果実味に、スミレやローズの可憐な香りが重なります。

タンニンは細かく、シルクのように滑らか。

口当たりは軽やかでも薄さはなく、若樹由来のエネルギーが骨格をしっかり支えています。

ほどよい緊張感を残した酸がワイン全体を引き締め、時間とともにしなやかさが増すため、今の美しさも楽しめますし、もう数年の熟成でさらに深みが出るタイプです。

エレガントで清らかな、2014年らしい魅力がしっかり詰まった一本です。

 

ペアリング

Chambolle-Musigny 1er Cru 2014 の魅力は、ラズベリーやチェリーのピュアな果実味と、スミレのような香りが重なった“軽やかな華やかさ”にあります。

タンニンは驚くほど繊細で、2014年らしいきれいな酸が全体をすっとまとめてくれるため、料理も同じように“優しい旨味”や“柔らかい質感”のものと相性が良く、重厚な肉料理よりも、しなやかな味わいを引き立ててくれる一皿が向いています。

例えば、鴨のローストや鴨コンフィのように、脂が香りとして広がりながらも重すぎない料理とは非常に好相性。

きれいな酸が鴨の旨味を軽やかにまとめ、赤い果実のニュアンスが余韻に心地よく寄り添います。

また、チキンのクリーム煮やポルチーニのリゾットなど、まろやかな口当たりの料理もワインの滑らかさとよく溶け合います。

シンプルに楽しむなら、熟成したコンテやミモレットなど、ナッティな硬質チーズを合わせるのもおすすめ。

全体として“繊細さを尊重する料理”と合わせることで、この2014年の魅力がより一層引き立ちます。

まとめ

ミュジニーの若い樹から生まれる特別な 1er Cru

背景を知ると格式を感じますが、2014 年の澄んだ果実味が重たさを感じさせず、すっと心地よく広がる一本です。

香りの華やかさと繊細な酸がほどよく寄り添い、ゆっくり味わうほど表情が深まっていきます。

銀座の小さなカウンターで、ミュジニーの余韻を感じるひとときをお楽しみください。

 

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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