ブルゴーニュの若き才能として注目を集めるバンジャマン・ルルー。
彼が手掛けるBourgogne Rouge 2021は、いわゆる「入門編」という枠を軽やかに超える仕上がりを見せています。
ブドウは広域アペラシオンながら、厳選した畑と丁寧な醸造によって、瑞々しい果実味と繊細なタンニン、そして美しい酸が見事に調和。
2021年は冷涼さが際立ち、クラシカルでピュアなブルゴーニュの魅力を堪能できるヴィンテージです。
初めてルルーのワインに触れる方にも、熟練の愛好家にも満足いただける一本といえるでしょう。
BOUGROGNE 2021/BENJAMIN LEROUX
BENJAMIN LEROUX
バンジャマン・ルル―は、1975年にブルゴーニュのボーヌに生まれ、ブドウ栽培家の家系ではなく、花屋を営む家庭で育ちました。
その背景にもかかわらず、10代前半にはワイン造りへの強い意志を抱き、15歳でリセ・ヴィティコル(ワイン学校)に進学し、類まれな才能を発揮しました。
その後、オレゴン、ニュージーランド、ボルドー(特にコス・デストゥルネル)など世界各地で経験を積み、1998年にブルゴーニュへ戻ると、翌1999年にポマールの名門ドメーヌ・デュ・コント・アルマンの技術責任者(レジスール)に就任。
24歳という若さでその重責を担ったことが、早くも業界の注目を集めました。
2007年、ワイン造りの理想を追求するために自らのドメーヌ兼ネゴシアン事業を開始。
以来、シャサーニュ・モンラッシェからジュヴレ・シャンベルタンまで幅広いアペラシオンをカバーし、現在では約30ヘクタールのブドウを扱うまでに規模を拡大しています。
栽培はオーガニックとビオディナミックを志向し、2016年には認証を取得。
一部の畑では高密度植栽(一般的な3倍近い)も導入し、テロワールの個性を際立たせることを重視しています。
醸造では、白は全房圧搾・自然酵母発酵・長期熟成、赤は除梗比率をヴィンテージに応じて変えつつ自然酵母・樽およびフードルでの熟成を実施。
※フードル:ドイツやフランスのアルザス地方で使われる、ワインの熟成に用いられる大樽の名称。容量は1000リットル前後が一般的。
濾過や清澄はできる限り避け、“果実とテロワールの透明性”を追求する姿勢が貫かれています。
【二つの矛盾のない融合】が素晴らしい特徴。
一つは伝統と革新のバランス。
古典的なブルゴーニュの哲学を尊重しながら、新たな栽培・醸造手法を柔軟に採り入れる姿勢。
もう一つは、規模ではなく“畑の魅力”を優先する選択。
名声よりもテロワールの価値を第一に、人知れぬ優れた畑を掘り起こす姿勢に、誠実さと志の高さを感じます。
これらの要素が総合され、バンジャマン・ルル―はまさに「ブルゴーニュ新世代の旗手」として、優雅で深みのあるワインを生み出し続けています。
BOURGOGNE ROUGE 2021
バンジャマン・ルル―の「ブルゴーニュ・ルージュ 2021」は、冷涼な気候による赤果実の鮮烈さが際立つ、上品かつ精緻なスタイルが魅力です。
ポマール、ヴォルネー、ムルソー、さらにはサン=ロマンやモンテリー、ヴォーヌ=ロマネの要素が融合し、コート・ドールの魅力が豊かに表現されています。
これらが、味わいの複雑さとバランスを生み出しています 。
醸造では一部全房発酵を採用し、自家畑のブドウにのみ適用。
自然酵母発酵、適切なポンピングダウンとピジャージュを駆使して香味の抽出をコントロールし、果実の純度とテロワールの透明性を強調しています 。
熟成は大型グルニエ製2,200 Lフードル主体で、一部228 Lバリック。
新樽使用は極少量に抑え、テロワールの声を際立たせています 。
香りはラズベリーなどの繊細な赤系の果実や花のようなニュアンス、土やスパイスといった余韻が印象的。
軽やかでスタイリッシュ、全体に軽い吟味された酸と長い余韻が感じられます。
Jasper Morris氏は「軽やかでエレガント、長く洗練されたスタイル」と称賛し、2021ヴィンテージのクールな赤果実の表現と、アルコール度が12.0〜12.5%と抑えめである点にも注目しています 。
総じて、2021年版ブルゴーニュ・ルージュは、ルル―らしいピュアでテロワール豊かなスタイルを、エントリー級ながら完成度高く体現した逸品です。
味わいとペアリング
ブルゴーニュ・ルージュ 2021は、全体に明るくクリアな赤果実—ラズベリー、野いちご、チェリー—が主役。
花のような香り、微かな下草やスパイスも織り込まれ、奥行きを感じさせます 。
口に含むとジュシーでピュア、滑らかな酸と絹のようなタンニンが調和し、石のような鉱物感やハーブのニュアンスが余韻に織り込まれています 。
全体にエレガントで飲み心地良く、長めの余韻が心地よい印象です。
ペアリング
このワインは万能タイプで、普段料理から少し贅沢なディナーまで幅広く対応可能です。
例えば、ローストチキンやターキーのような白肉料理と合わせると、軽やかな果実味と酸が肉の旨味を引き立て、満足感のあるマリアージュに 。
さらに、きのこのリゾットや鴨の胸肉にチェリーソースを合わせた一皿など、香り高くボリュームのある料理とも相性抜群です。
また、ビーフカルパッチョ(ルッコラ、パルメザン添え)やローストした鳩、ガチョウのメイン料理とも相性がよく、熟成した赤果実味が料理のコクと調和します。
さらに、和食では赤身魚のグリルや、軽く味付けした豚肉や九条ねぎの炊き合わせなど、繊細な旨味との相性も良好。
全体にタンニンが強すぎず酸とのバランスも良いため、脂のある料理も軽やかにまとめてくれる頼れる一本です。
総じて、ブルゴーニュ・ルージュ 2021は、果実のピュアさと酸・タンニンのバランスに優れ、料理の引き立て役として汎用性が高く、家庭料理からちょっとしたゲスト用まで幅広く活躍するソムリエ推薦の魅力あるワインです。
まとめ
バンジャマン・ルル―のブルゴーニュ・ルージュ2021は、冷涼な気候が生んだピュアな赤果実の香りと、繊細で透明感ある酸が魅力の一本です。
ヴォルネーやヴォーヌ=ロマネなど名高い区画の果実を巧みにブレンドし、村名クラスに匹敵する奥行きを表現。
華やかさと軽やかさを兼ね備え、幅広い料理と寄り添う万能さは、日常の食卓をぐっと洗練させます。
SHIWINEではお手頃価格でバンジャマン・ルル―の世界観を体験していただけます。
はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。
2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。
SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。
お料理もできる限り手作りにこだわりました。
看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。
一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。
皆様のご来店をお待ちしております。
SHINOWINE
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階