ジュヴレ・シャンベルタン レ・ゼヴォセル2021/ヴ―ジュレ

ジュヴレ=シャンベルタン北端の斜面に広がる「レ・ゼヴォセル」は、ヴージュレが最初に手がけた特別な区画。

かつての草原に由来する名を持ち、今も自然味あふれる雰囲気を残しています。

1966年に植えられた古木からは、石灰質土壌ならではのミネラルと清々しい果実味が感じられます。

2021年は雹や豪雨で収量がごく僅かとなったものの、その分ピュアで力強い果実が凝縮し、黒胡椒のニュアンスを伴う洗練された味わいに仕上がりました。

Gevrey Chambertin Les Evocelles 2021 / Vougeraies

Gevrey Chambertin Les Evocelles

ジュヴレ=シャンベルタン「レ・ゼヴォセル」は、村の北端に広がる小さな区画です。地図の通り、グラン・クリュが連なる「ルート・デ・グラン・クリュ」のすぐそばに位置し、その立地そのものが強いアピールポイントとなっています。

この畑は、急な東南東向きの斜面にあり、石灰質を含む土壌と冷涼な気候がピュアで緊張感のある果実味を生み出します。

地図で隣接するように見えるグラン・クリュの畑から恩恵を受けており、村名ワインとはいえその味わいには深みと透明感が感じられます。

ヴージュレにとって、この「レ・ゼヴォセル」は特別な存在です。

1999年の創設以来、最初に手がけた区画でもあり、ヴィンヤードの理念を体現する場所。

1966年植樹の古木と若木が共存し、ビオディナミによる栽培を通じて土地の個性をストレートに表現します。

村名格としては希少な、ワイルドさと透明感を併せ持つ洗練されたスタイルは、まさにヴージュレの哲学そのものと言えるでしょう。

このように、「レ・ゼヴォセル」の立地的優位性とヴージュレの情熱的なアプローチを掛け合わせることで、村名ワインとしてだけでなく“隣接するグラン・クリュ級のポテンシャルを秘めた特別な一本”としての魅力をより一層発揮しています。

2021年

2021年のジュヴレ=シャンベルタン「レ・ゼヴォセル」は、厳しい気候条件がその個性を際立たせた特別なヴィンテージです。

春には霜害、夏には局地的な雹と豪雨に見舞われ、収量はわずか11hl/haという異例の少なさとなりました。

その結果、残された葡萄は極めて凝縮度が高く、果実本来の純度とエネルギーが際立っています。

冷涼な気候の恩恵を受けた2021年は、力強さよりも透明感と緻密さが特徴。

黒系果実に加え、ラズベリーや野生のハーブを思わせるアロマが広がり、黒胡椒のようなスパイスが味わいに奥行きを与えています。

口に含むと、フレッシュな酸が骨格を形成し、しなやかなタンニンがワイン全体を引き締め、ミネラル感が長い余韻へと導きます。

すでに若々しい美しさを楽しめる一方、数年の熟成によってさらに複雑さと調和を増し、2030年頃までポテンシャルを発揮できるでしょう。

ヴージュレらしいビオディナミのアプローチが、この厳しい年においても畑の真価を引き出した一本です。

 

味わいとペアリング

ジュヴレ=シャンベルタン「レ・ゼヴォセル」2021は、冷涼感と果実の純度が際立つ味わいです。

グラスから立ち上るのは、ブラックチェリーやラズベリーといった赤黒系果実に、スミレや野生のハーブ、黒胡椒を思わせるスパイシーな香り。

口に含むときれいな酸が骨格を形成し、しなやかで細やかなタンニンが全体を支え、余韻には石灰質土壌由来のミネラルが凛とした印象を残します。

濃厚さというよりは透明感と精緻さを重視したスタイルで、力強さと繊細さが調和する一本です。

ペアリングには、鴨のローストや仔牛のソテーなど赤身肉の料理が好相性。

果実味の明るさと酸の張りが肉の旨みを引き立てつつ、スパイスのニュアンスが料理に奥行きを添えます。

また、きのこや根菜を使った料理、特にセップやポルチーニのリゾットとも素晴らしい相性を見せ、秋冬の食卓を華やかに彩ります。

熟成が進むと、ジビエや熟成チーズとのマリアージュも楽しみなワインです。

 

まとめ

ジュヴレ=シャンベルタン「レ・ゼヴォセル」2021は、厳しい自然条件の中で収量がごく僅かにとどまった希少な一本。

その結果、果実の純度とミネラル感が際立ち、冷涼さを映した透明感ある味わいに仕上がっています。

村名格でありながらグラン・クリュに隣接する恵まれた立地から生まれるこのワインは、ピュアな果実味としなやかな骨格が魅力で、若いうちのエレガンスと熟成による奥行きの両方を楽しめます。

希少なヴィンテージだからこそ、このタイミングで味わっていただきたい特別なジュヴレです。

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

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〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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