ピュリニ・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・ムーシェール2020/ アンリ・ボワイヨ

ピュリニー=モンラッシェ1級畑レ・ペリエールの中に佇む「クロ・ド・ラ・ムーシェール」は、アンリ・ボワイヨが誇るモノポール。

ムーシェールはフランス語で“ミツバチ”を意味し、その名の通り蜂蜜を思わせる甘やかな香りが漂います。

熟した白桃や洋梨のふくよかな果実味に、凛としたミネラル感とクリーミーな質感が重なり、口中に優雅な広がりを描きます。

約4haの塀に囲まれたこの特別な区画は、石灰質土壌がもたらす塩味のニュアンスと長い余韻が特徴で、熟成によってさらに複雑な表情を見せる、グラン・クリュに迫る品格を持つ一本です。

 

Puligny-Montrachet 1er Cru Clos de la Mouchère 2020/DOMAINE HENRI BOILLOT

DOMAINE HENRI BOILLOT

ブルゴーニュ白の真髄を追求する名門、アンリ・ボワイヨの歴史は、1885年に祖父・アンリ・ボワイヨがドメーヌを創設したことに始まります

その後、息子ジャンに継承され「ドメーヌ・ジャン・ボワイヨ」として発展。

1975年、アンリ自身がドメーヌに加わり研鑽を積み、1984年にはネゴシアン部門「メゾン・アンリ・ボワイヨ」を設立

そして2005年、家族から出資分を買い取り、改めて「ドメーヌ・アンリ・ボワイヨ」として単独運営を再開しました

ドメーヌはムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、ヴォルネイ、ポマールを中心に、プルミエ・クリュやグラン・クリュを含む約15~19ヘクタールの優良区画を所有。

その中には、プルミエ・クリュ「レ・ペリエール」内のモノポール区画「クロ・ド・ラ・ムーシェール」や、ムルソーの「クロ・リシュモン」などが含まれます

栽培・醸造においては、90年代からの早期の段階で最小限介入のワイン造りを採用し、有機・サスティナブルな畑作り、ブドウとテロワールの個性を最大限に表現する姿勢が貫かれています

アンリは白は「精密で純粋、エレガント」な味わいを、息子ギョームは「赤に官能性と繊細さ」を託すなど、父子による分業によってドメーヌを牽引しています

その結果、アンリ・ボワイヨのワインはケタ外れのピュアネス、テロワール表現、気品を湛えることとなり、現代ブルゴーニュにおける最高峰のひとつとして評価されています。

Puligny-Montrachet 1er Cru Clos de la Mouchère 2020

2020年のブルゴーニュは、春先からの温暖で安定した気候と夏の乾燥により、全体として小粒で凝縮感のあるブドウが収穫された年です。

ピュリニー=モンラッシェにおいても例外ではなく、果実の熟度が高く、同時に酸も健在という、近年稀に見るバランスの取れたヴィンテージとなりました。

クロ・ド・ラ・ムーシェールは、プルミエ・クリュ「レ・ペリエール」の内部に位置するアンリ・ボワイヨのモノポール区画で、約4haの塀に囲まれた特別な畑です。

樹齢80年以上の古木も含まれるこの区画では、区画ごとに発酵・熟成を行い、最終的にブレンド。

粘土石灰質土壌がもたらす引き締まった骨格と、温暖な年ならではの豊かな果実味が共存しています。

2020年は、テロワールのミネラル感に熟した果実のエネルギーが加わり、グラン・クリュにも匹敵するスケール感を持つ仕上がりです。

味わい

2020年のクロ・ド・ラ・ムーシェールは、抜栓直後は香りが控えめながら、時間の経過とともに花開きます。

アカシアやハニーサックルの白い花、洋梨や白桃の熟した果実、マンダリンやグレープフルーツの爽やかな柑橘に、ヘーゼルナッツや微かなスパイスが重なり、香りは多層的。

口に含むと、果実のふくよかさとクリーミーな舌触りが広がり、ピュリニーらしいきりっとした酸と透明感のあるミネラル感が全体を引き締めます。

中盤から余韻にかけては、ほんのり塩味を伴うミネラルのニュアンスが心地よく続き、清涼感とエレガンスを両立。

果実の豊かさと引き締まった骨格のバランスが秀逸で、熟成とともにさらに複雑さが増すポテンシャルを秘めた一本です。

若いうちの鮮烈さも魅力ですが、数年の熟成で一層深みを増し、香りや質感がより調和していくでしょう。

 

ペアリング

Puligny-Montrachet 1er Cru Clos de la Mouchère 2020は、豊かな果実味とクリーミーな質感、そしてピュリニーらしい凛とした酸とミネラル感を兼ね備えており、料理とのペアリングではその多面的な魅力を引き出す組み合わせが鍵となります。

若いうちは洋梨や白桃、柑橘のニュアンスが生きるため、帆立や甘海老のカルパッチョ、スズキやヒラメのポワレなど、素材の旨味と繊細さを生かした魚介料理が好相性。

レモンバターソースや白ワインソースを添えると、酸と果実味が一層引き立ちます。

熟成が進み、蜂蜜やナッツ、ブリオッシュの香りが現れてきた段階では、ロブスターのテルミドールや鶏肉のクリーム煮、仔牛のソテーなど、コクのあるソースを伴う料理がよく合います。

また、コンテや熟成させたブリ・ド・モーなど、ミルキーで旨味の強いチーズもおすすめ。

時間の経過とともにペアリングの幅が広がる、まさに懐の深い一本です。

 

まとめ

ピュリニー=モンラッシェ1級畑「クロ・ド・ラ・ムーシェール 2020」は、名門アンリ・ボワイヨが単独所有する約4haの特別な区画から生まれる一本。

2020年は豊かな果実味と凛とした酸、澄んだミネラルが見事に調和しました。

白い花や熟した白桃、柑橘、蜂蜜の香りが重なり、長い余韻が印象的。

若いうちの華やかさも魅力ですが、熟成でさらに深みを増します。

 

SHINOWINEでは、この特別なワインを特別にグラスでご用意いたします。(グラン・ヴァンの3杯セットにて)

特別な夜や贅沢なひと時に、ぜひお試しください。

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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