ピュリニー・モンラッシェ シャンカネ2018/ドメーヌ・ラトゥール・ジロー

ブルゴーニュ白ワインの真髄を体現する一本、Puligny-Montrachet Champs Canet 2018 / Latour Giraudは、クラシカルなスタイルを貫きつつも、ヴィンテージの個性を見事に表現した逸品です。

ピュリニー・モンラッシェの中でも評価の高い1級畑「シャン・カネ」から生まれるこのワインは、優雅な酸とミネラル感、繊細な樽使いが見事に調和。

熟した白桃や洋梨、白い花のアロマに、火打石を思わせるニュアンスが奥行きを加えます。

表情の変化やグラスでの進化が非常に魅力的で、まさに食卓を格上げするワインです。

 

Puligny Montrachet Champs Canet 2018 / Latour Giraud

Latour Giraud

ドメーヌ・ラトゥール・ジロー(Domaine Latour‑Giraud)は、ブルゴーニュ、コート・ド・ボーヌ地方のムルソー村を本拠とする老舗ドメーヌで、その歴史は17世紀末に遡ります。

最古の祖先とされるのは、約1680年生まれのジャン・ラトゥール=ボワイヨ(Jean Latour‑Boillot)であり、当時すでにブドウ栽培は家計の基盤の一つでした。

その後、革命期を経て、ジャン・ラトゥール=ムーカン(Jean Latour‑Mouquin、1748年生まれ)が家業を継ぎ、19世紀にはジロー家がムルソーに蒸留所を開設。

ブルゴーニュのフィーヌ・ド・ブルゴーニュやマール、さらにはカシス・ド・ブルゴーニュなどを生産していました。

1958年、ラトゥール家とジロー家の次世代が結婚したことを契機に、両家の土地と醸造資産が結合し、現在の「ラトゥール・ジロー」という名称のドメーヌが成立しました。

現代では、ジャン=ピエール・ラトゥールがワイン生産と熟成・マーケティングを統括し、妻のクリスティーヌが経営・事務面を担っています。

ドメーヌが所有する畑はおよそ10ヘクタールで、その約80%が白ワイン用、20%が赤ワイン用。

白ワイン向けのぶどうは、ムルソーの主要なプルミエ・クリュ畑(ジュヌヴリエール、シャルム、ペリエール、ブシェール、ポルゾ)に多くを持ち、さらにピュリニー・モンラッシェの北端、シャン・カネ(Champs‑Canet)にも区画を所有しています。

赤ワイン用区画もプルミエ・クリュ級のポマール、ヴォルネイ、ムルソーのクリマに限定され、その品質へのこだわりが窺えます。

このように、ドメーヌ・ラトゥール・ジローは、伝統と家族の継承、優良なテロワールの獲得を背景に、ムルソーを軸としながらも周辺村に広がる高品質な白・赤ワインを手掛ける名門として知られています。

Champs Canet

シャン・カネ(Champs Canet または “Le Champ Canet”)は、ピュリニー・モンラッシェ村のプルミエ・クリュ区画のひとつで、ムルソー村と接する北部斜面に位置する伝統あるワイン産地です。

土壌は石灰質と粘土質を含む混合型で、適度な排水性を備えつつ水分を保持する能力もあり、シャルドネが熟すためのバランスを保ちやすい特性を持っています。

この区画のブドウ樹の平均樹齢は比較的高く、たとえばジャック・カリヨン(Jacques Carillon)では約45年とされ、畑面積は0.55ヘクタールほどと小規模です。

醸造方法としては、18か月前後の熟成を経るケースが多く、樽熟成(20%前後を新樽使用)+ステンレスタンク併用というスタイルを採用する生産者もあります。

ワインのアロマには白い花や柑橘果実、軽やかなスパイス香、ミネラル感が豊かに表出することが多く、その一方で濃密さよりも清涼感・余韻の長さ、優雅さを重視したスタイルを追求する造り手が目立ちます。

飲み頃は一般的にリリースから3〜8年あるいは10年程度までとされ、早めに開く魅力と熟成による複雑性の広がりとを兼ね備えます。

ピュリニー・モンラッシェ村において、シャン・カネはその端的でエレガントな表情を特徴とし、ムルソーよりの影響を受けながらもプルミエ・クリュらしい気品とバランスを示す名区画として、愛好家やワイン批評家の注目を集めています。

Puligny Montrachet Champs Canet 2018

Puligny-Montrachet 1er Cru “Champs Canet” 2018 / Latour-Giraud は、ピュリニーとムルソーの境界に位置する畑ならではの、両村の魅力を併せ持つワインです。

石灰質の強い土壌から生まれる張りのある酸と、南東向き斜面が育む果実の熟度が見事に融合。

2018年は豊かで日照に恵まれた年でしたが、ワインは決して重くならず、緊張感を伴うエレガンスを湛えています。

香りには白桃や洋梨、アカシアの花、ナッツや蜂蜜のニュアンスが重なり、奥行きのある香ばしさが印象的。

口当たりは絹のように滑らかで、果実のふくらみを支えるミネラルの骨格が心地よく、余韻には塩味を帯びた清らかさが長く残ります。

ラトゥール・ジローらしいクラシックな樽使いと緻密な酸が生む、緊張感と気品を兼ね備えたピュリニーの佳品です。

味わい

Puligny-Montrachet 1er Cru “Champs Canet” 2018 / Latour-Giraud は、熟した果実の豊かさと、ピュリニーらしい緊張感を見事に両立した一本です。

2018年は温暖な年でありながら、酸がしっかりと保たれ、エネルギーに満ちた果実味が印象的。

グラスからは白桃や洋梨、熟したシトラス、そしてトーストしたヘーゼルナッツや蜂蜜、ほのかに燻したオークの香りが立ち上がります。

口に含むと、滑らかなテクスチャーと芯の通った酸が調和し、余韻には塩味を感じるようなピュアなミネラル感が長く続きます。

ムルソーの丸みとピュリニーの精緻さ、その両方の魅力を内包したスタイルで、豊潤ながらも端正。

熟成によってさらに香ばしさと複雑さが増し、時間の経過とともにしなやかな奥行きを見せるワインです。

ペアリング

シャン・カネの持つミネラル感と果実の厚みは、繊細さとコクを兼ね備えた料理と好相性です。

魚介では、白身魚のポワレやホタテのソテーにレモンバターソースを添えた一皿が、ワインの酸と果実味を引き立てます。

また、オマール海老やカニのクリーム仕立てにも負けない存在感があり、甲殻類の甘みとワインのナッティな香りが見事に重なります。

肉料理なら、鶏のクリーム煮や仔牛の白ワイン煮込みがぴったり。

温かみのある樽香がソースのコクと響き合い、余韻をより深めます。

チーズでは熟成コンテやグリュイエール、または軽く焼いたブリオッシュとの組み合わせもおすすめ。

口中に広がる香ばしさと塩味が、シャン・カネの長い余韻を美しく引き立てます。

まとめ

ピュリニー=モンラッシェの中でも北端に位置するシャン・カネは、ムルソー寄りの柔らかさとピュリニーらしい緊張感を併せ持つ特別な一級畑。

ラトゥール・ジローによるこの2018年は、熟した果実の厚みと、芯にある凛としたミネラルが見事に調和しています。

香りの奥にナッツや蜂蜜のニュアンスが広がり、時間とともに複雑さを増す上品な仕上がり。

ムルソーの名手が手がけるピュリニーとして、その稀少性と完成度の高さを存分に感じていただける一本です。


SHINOWINEでは、このワインを通じて、ブルゴーニュの奥深いテロワールの妙をじっくりとお楽しみいただけます。

ワイン好きの方にこそ味わっていただきたい一本です。

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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