シャンボール=ミュジニー プルミエ・クリュ レ・ボード2015/ジャンテ・パンショ

シャンボール・ミュジニーの魅力を存分に語る上で欠かせないのが、村の南端に位置する1級畑「レ・ボード」です。

隣接するボンヌ・マールの風格を受けつつ、シャンボールらしい繊細さを湛えるこの区画からは、複雑さと力強さを併せ持つワインが生まれます。

2015年という太陽に恵まれた年の実りは、深みのある果実味と豊かな骨格を備え、今まさに熟成の階段を上り始めたところ。

ジャンテ・パンショの手により磨き上げられた一杯は、飲む人を魅了する芳香と余韻をもたらし、ブルゴーニュの真髄を語るにふさわしい存在です。

 

Chambolle Musigny Baudes 2015 / Geantet Pansiot

Geantet Pansiot

ドメーヌ・ジャンテ・パンショ(Domaine Geantet-Pansiot)は、1954年、エドモン・ジャンテ(Edmond Geantet)とベルナデット・パンショ(Bernadette Pansiot)が結婚し、当初7エーカー(約3ヘクタール)の畑を拠点にワイン造りを始めたことが起源とされています。

その後、1977年に息子ヴァンサン(Vincent)がドメーヌに加わり、1989年以降は彼が主導し、2006年には孫のファビアン(Fabien)も正式に参画しました。

創立以来、徐々に拡張を重ね、1991年にはジュヴレ・シャンベルタン地区内で10エーカー超を取得し、さらにシャンボール・ミュジニーやその1級畑などにも区画を広げています。

現在では、所有面積はおおよそ13ヘクタール前後と見積もられ、コート・ド・ニュイおよび周辺地域の複数アペラシオンにわたる優良区画を手掛けています。

栽培面では「リュット・レゾネ(lutte raisonnée)」を実践し、除草剤や化学肥料を用いない管理を基本としています。

収穫は手摘みによって行われ、選果は複数段階で丁寧に実施。

醸造では暖冷浸漬や低温浸漬を取り入れ、発酵には自然酵母を重視。

熟成にはフレンチオーク樽(新樽比率30~40%程度)を用い、ヴィラージュからグランクリュ級までバランスを意識した仕上げがなされます。

そのワインは、豊かな果実味と上品な骨格を兼ね備え、繊細さの中にもしっかりとした奥行きを感じさせます。

ジュヴレ・シャンベルタンの力強さに、コート・ド・ニュイならではの柔らかな表情を重ね合わせた調和の取れたスタイルです。

Les Baudes

シャンボール・ミュジニー村の南端、ボンヌ・マールに隣接する位置に広がるのが1級畑「レ・ボード(Les Baudes)」です。

総面積は約3.42haで、畑はモレ=サン=ドニ側に近い緩やかな斜面上にあり、標高は比較的低め。

土壌は小石を多く含む粘土石灰質で、赤みを帯びた土壌がワインに力強さを与えます。

シャンボールらしい華やかさや繊細さに加え、ボンヌ・マールを思わせる豊かな骨格が特徴で、エレガンスと重厚さのバランスが際立ちます。

ワインは赤系果実の華やかなアロマに、しっかりとしたタンニンとミネラル感が重なり、熟成によって深みを増していくのが魅力です。

ドメーヌ・ジャンテ・パンショはこの区画からもワインを手掛けており、ジューシーで奥行きある果実味を表現しつつ、洗練された構造を併せ持つ仕上がりとなっています。

シャンボールの繊細さと力強さの両面を語る上で、レ・ボードは欠かせない畑といえるでしょう。

Chambolle Musigny Baudes 2015

ジャンテ・パンショが手掛けるシャンボール・ミュジニー1級畑「レ・ボード」2015年は、畑の個性とヴィンテージの恵みが見事に融合した一本です。

区画はボンヌ・マールに隣接し、シャンボール特有の華やかさに加え、力強さと骨格を備えることで知られています。

2015年はブルゴーニュ全域で日照と気温に恵まれた年で、健全で凝縮感あるブドウが収穫されました。

このワインも例外ではなく、熟した赤や黒系果実の香りに、スパイスや花のニュアンスが重なり、芳醇さとエレガンスを併せ持ちます。

口中ではシルキーなタンニンと豊かな果実味が調和し、ミネラル由来の引き締まった余韻が長く続きます。

若いうちから十分な魅力を発揮しますが、熟成を重ねることで一層深みを増し、複雑な表情を見せてくれるワインです。

ジャンテ・パンショらしい果実の表現力と丁寧な造りが際立ち、シャンボールの魅力を力強く体現しています。

味わい

まず香りから華やかさが広がります。

熟したチェリーやブラックベリーなど赤黒系果実のアロマに、スミレやバラの花、甘やかなスパイス、ほのかな杉や土のニュアンスが重なり、複雑さを湛えています。

口に含むと、凝縮した果実味が力強くも柔らかく広がり、細やかなタンニンが骨格を形作ります。

シャンボールらしいしなやかさに加え、隣接するボンヌ・マールを思わせる豊かなボディが存在感を放ちます。

酸はみずみずしく、果実のボリュームを心地よく引き締め、余韻には熟した果実の甘やかさとミネラルが長く残ります。

2015年という温暖な年らしい豊潤さをもちながら、ジャンテ・パンショのスタイルである果実の表現力とエレガンスがしっかりと表れており、飲み手に印象的な調和を感じさせる味わいです。

ペアリング

このワインの持つ凝縮感と力強さ、そして華やかな香りは、料理との相性を幅広く楽しませてくれます。

果実の豊かさとスパイス香は、鴨のローストや仔羊のグリルと好相性で、肉の旨味と赤ワインの厚みが見事に寄り添います。

また、シルキーなタンニンと花のニュアンスは、鶏肉の赤ワイン煮込みや仔牛のソテーと合わせると繊細さが引き立ちます。

キノコを使ったリゾットやトリュフを添えた料理とも抜群で、ワインの土っぽさやミネラル感が共鳴します。

チーズではコンテや熟成したウォッシュタイプ、特にエポワスのような力強い個性をもつものとも調和し、余韻を一層深くしてくれます。

力強さとエレガンスを併せ持つこの2015年は、食卓に上質な緊張感と華やぎを添え、料理を格上げする一本です。

まとめ

Chambolle Musigny 1er Cru “Les Baudes” 2015 / Geantet-Pansiot は、華やかさと力強さを兼ね備えた魅力的なワインです。

熟成によって深みを増しつつも、今すぐにでもその果実味とエレガンスを楽しむことができます。

シャンボールらしい繊細な表情に、ボンヌ・マールを思わせる厚みが加わったスタイルは、食卓を華やかに彩る存在です。

SHINOWINEでは、この特別な1級畑のワインをゆっくりとグラスを傾けながらお楽しみいただけます。

どうぞブルゴーニュの真髄をご体験ください。

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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