ブルゴーニュルージュ2020/カミーユ・ジル―

メゾン・カミーユ・ジルーは、1903年創業以来ブルゴーニュの魅力を世界に伝えてきた老舗の造り手です。

伝統的な熟成技術を大切にしながらも、現代的な感覚を取り入れ、各地のピノ・ノワールから豊かな個性を引き出しています。

「ブルゴーニュ・ルージュ 2020」は、恵まれた気候がもたらす果実の凝縮感と爽やかな酸を兼ね備え、親しみやすさと奥行きが同居する一本。

食卓を彩るデイリーワインでありながら、造り手の哲学が息づく存在感のある仕上がりです。

 

Bourgogne Rouge 2020 / Camille Giroud

Camille Giroud

メゾン・カミーユ・ジルーは1903年にボーヌで創業し、長きにわたりブルゴーニュの伝統を受け継いできた老舗です。

設立当初から特徴的だったのは、瓶詰め前の熟成に強みを持ち、買い付けたワインや果汁を自社で寝かせて仕上げるネゴシアンとしてのスタイルでした。

その一方で、20世紀後半以降は自社畑を取得し、契約農家から葡萄を仕入れるなど、よりドメーヌ的な要素も取り入れて発展してきました。

現在では約1ヘクタールの自社畑を所有しつつ、厳選された栽培家と密接に協力することで、区画ごとのテロワールを忠実に表現することを重視しています。

2001年にはアメリカの投資グループの参加を経て新体制となり、醸造責任者のダヴィッド・クロワらによる改革により、現代的な醸造と伝統的な熟成技術の融合を実現。

今日のカミーユ・ジルーは、ネゴシアンの柔軟さとドメーヌの精緻さを兼ね備えた、独自の存在感を放つメゾンとして評価されています。

※ラベルやロゴに記載される「depuis 1865」は、フランス語で「1865年から」という意味を持ちます。

これはメゾンとしての公式な設立年(1903年)とは異なり、創業者カミーユ・ジルーの家系や前身の活動にまで遡る歴史を示すものです。

そのため、ブランドの伝統を強調する表現として用いられています。

 

David Croix

ダヴィッド・クロワは、ブルゴーニュ新世代を代表する醸造家の一人です。

ボルドーで醸造学を修めたのち、2001年にカミーユ・ジルーに参画し、急速に頭角を現しました。

当時はアメリカの投資グループがメゾンを引き継ぎ刷新を進めていた時期で、クロワは醸造責任者としてその中心的役割を担い、伝統的な長期熟成の強みを活かしつつ、より繊細でピュアな果実味を重視するスタイルを確立しました。

その手腕は高く評価され、かつて「古風」と見られていたカミーユ・ジルーの名声を現代的に蘇らせた立役者とされています。

2016年には自身のドメーヌ「ドメーヌ・デ・クロワ(Domaine des Croix)」を設立し、ボーヌを中心に多くのクリマを所有・醸造するようになりました。

これに伴いカミーユ・ジルーからは独立しており、現在は自らのドメーヌ経営に専念していますが、同時にブルゴーニュにおけるテロワール重視の流れを象徴する存在としてその功績は語り継がれています。

Bourgogne Rouge 2020

「ブルゴーニュ・ルージュ 2020」は、カミーユ・ジルーらしく多彩な土地の個性がうまく溶け合った一本です。

ブドウは、爽やかさを感じさせるオート・コート・ド・ボーヌ、しっかりとした力強さを持つメルキュレイ、そして柔らかい味わいをもたらすポマールやヴォルネイの低地区画から収穫されたピノ・ノワールを使用。

産地の特徴が合わさることで、フレッシュな果実味の中に心地よい引き締まりがあり、全体としてキリッとした印象に仕上がっています。

味わいは生き生きとした果実感に加え、酸のバランスや滑らかな渋みも感じられるスタイルで、2022年頃から2028年にかけて楽しむのがおすすめ。

複数の地域をブレンドすることで、ブルゴーニュの魅力を一杯のグラスにぎゅっと詰め込んだようなワインです。

味わいとペアリング

グラスに注ぐと、ルビー色の輝きとともに赤いベリーやチェリーの華やかな香りが広がります。

口に含むと、果実のフレッシュなジューシーさがはじけ、爽やかな酸とほどよい渋みがバランスよく調和。

ミディアムボディながらも芯がしっかりしていて、飲みごたえと軽やかさの両方を楽しめます。

時間とともにスパイスや土を思わせるニュアンスも現れ、シンプルなだけでは終わらない奥行きが感じられるでしょう。

料理との相性も幅広く、鴨のローストや鶏肉のグリルといった肉料理にはもちろん、キノコのリゾットやラタトゥイユなど野菜を主役にした一皿とも好相性。

チーズであればブルゴーニュの定番、エポワスやコンテがよく合います。

フレッシュ感を活かしたいならやや冷やして軽やかに、落ち着いたニュアンスを楽しみたいときは少し温度を上げて。

シーンや料理に合わせて表情を変える、まさに万能な赤ワインです。

まとめ

「ブルゴーニュ・ルージュ 2020 / カミーユ・ジルー」は、果実の明るさと骨格のある酸、そして滑らかなタンニンが織りなすバランスの良さが魅力の一本です。

複数の産地をブレンドすることで、ブルゴーニュの多彩な表情を一度に楽しめる仕上がりとなっています。

シンプルな料理から肉料理、チーズまで幅広く寄り添い、日常の食卓にも特別なひとときにも活躍してくれるワインです。

SHINOWINEでは、こうした造り手の想い気軽に味わっていただけます。

ぜひお店でその豊かな魅力を体感してみてください。

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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