ブルゴーニュ地方のコート・ド・ニュイ地区に位置するジュヴレ・シャンベルタン(Gevrey-Chambertin)は、フランス国内外のワイン愛好家やソムリエから絶大な支持を受ける赤ワインの名産地です。
特に、村内に存在するグラン・クリュ(特級畑)は、その格付けにふさわしい高品質なワインを生み出し、「ブルゴーニュの王」とも称されるほどの名声を誇ります。
本記事では、ジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュについて詳しく解説し、その魅力に迫ります。
ジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュ:ブルゴーニュ最高峰のテロワール
ジュヴレ・シャンベルタン村の概要
ジュヴレ・シャンベルタンは、ディジョンの南約15kmに位置し、ブルゴーニュ地方の中でも特に力強いピノ・ノワールを生み出す村として知られています。
ワイン造りの歴史は古く、ローマ時代から栽培が行われていたと言われています。
また、ナポレオン・ボナパルトが愛飲したことでも有名で、彼が戦場へ向かう際には常にジュヴレ・シャンベルタンのワインを持参していたと言われています。
ジュヴレ・シャンベルタンの特徴は、その多様な土壌と気候条件にあります。
主に石灰岩を基盤とし、表土には粘土質が混ざることで、豊かなミネラルとストラクチャーを持つワインが生まれます。
さらに、標高250~350mの緩やかな丘陵地帯に位置するため、水はけが良く、ブドウの成熟度も理想的な状態になります。
ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュ一覧
ジュヴレ・シャンベルタン村には9つのグラン・クリュが存在し、いずれも極めて高い品質を誇ります。
シャンベルタン(Chambertin)
ジュヴレ・シャンベルタンの頂点に立つ畑であり、村名にもその名を冠する特級畑。
力強さとエレガンスを兼ね備え、長期熟成に耐えるワインを生み出します。
ブラックベリーやスパイス、トリュフのような複雑な香りが特徴。
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ(Chambertin Clos de Bèze)
シャンベルタンに隣接し、ジュヴレ・シャンベルタンで最も歴史のある畑。
シャンベルタンよりもやや柔らかく、シルキーなタンニンを持ち、若いうちから楽しめるが熟成能力も高い。
マゾワイエール・シャンベルタン(Mazoyères-Chambertin)
最も南に位置し、しばしばシャルム・シャンベルタンとしても販売される。フ
レッシュな果実味とスパイシーなニュアンスがあり、比較的親しみやすいスタイル。
シャルム・シャンベルタン(Charmes-Chambertin)
マゾワイエール・シャンベルタンと隣接し、やや軽やかで果実味豊かなワインを生み出す。
タンニンは比較的穏やかで、ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュの中では早めに楽しめる。
リュショット・シャンベルタン(Ruchottes-Chambertin)
標高が高く、ミネラル感の強いワインが造られる。
フィネスとエレガンスが際立ち、酸味とタンニンのバランスが取れている。
ラトリシエール・シャンベルタン(Latricières-Chambertin)
冷涼な気候の影響を受け、緻密なストラクチャーとシャープな酸が特徴。
シャンベルタンやクロ・ド・ベーズほどのパワーはないが、長期熟成に向く。
グリオット・シャンベルタン(Griotte-Chambertin)
最も小規模な特級畑で、柔らかくエレガントなスタイル。
赤系果実の華やかな香りとシルキーな質感が特徴で、比較的若いうちから楽しめる。
シャペル・シャンベルタン(Chapelle-Chambertin)
ミディアムボディで、バランスの取れたエレガントなワインを生み出す。
果実の純度が高く、フィネスに富む。
マジ・シャンベルタン(Mazis-Chambertin)
シャンベルタンに次ぐ力強さを持つ畑。ワイルドなキャラクターがあり、スパイスや土っぽさが際立つ。
タンニンがしっかりしており、長期熟成に適する。
味わいと熟成のポテンシャル
ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュは、共通して力強さと深みのある味わいを持ちますが、畑ごとの個性も明確です。
一般的に、ブラックベリーやカシスなどの黒系果実のアロマに、スパイスや土、トリュフのニュアンスが加わります。熟成とともに、動物的なニュアンスや森の下草のような複雑味が増していきます。
グラン・クリュのワインは、一般的に10年以上の熟成を要するものが多く、シャンベルタンやマジ・シャンベルタンなどは20年以上の熟成ポテンシャルを持つことも珍しくありません。
一方で、グリオット・シャンベルタンやシャルム・シャンベルタンのように、比較的早く楽しめるスタイルのものも存在します。
まとめ
ジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュは、ブルゴーニュの中でも最も壮麗で奥深いワインを生み出す特級畑群です。
それぞれの畑が個性的なスタイルを持ち、熟成とともにさらなる魅力を発揮します。
ナポレオンが愛した「王のワイン」をぜひ堪能し、その奥深い世界を味わってみてください。
はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。
2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。
(写真はシャンボールミュジニー村のレザムルーズの泉)
SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。
お料理もできる限り手作りにこだわりました。
看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。
一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。
皆様のご来店をお待ちしております。
SHINOWINE
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