ブルゴーニュ・ブラン 2021/バンジャマン・ルルーは、ひと口で「上質なムルソーのエッセンスをやさしく感じられる」一本です。
使用されているブドウの多くはムルソー村周辺の畑から。
果実味の厚みとミネラル感のバランスが絶妙で、2021年という涼しい年らしい、澄んだ酸と繊細な香りが印象的です。
造り手のバンジャマン・ルルーは、伝統を大切にしながらも新しい挑戦を恐れない職人。
発酵や熟成には一部アンフォラ(陶器の甕)を使用し、樽の風味を控えめにしてブドウのピュアな個性を引き出しています。
その結果、ふんわりとした果実の香りにミネラルが寄り添い、どんな料理にも寄り添う柔らかさを持ったワインに仕上がっています。
Bourgogne Blanc 2021 / Benjamin Leroux
Benjamin Leroux
バンジャマン・ルルーは、ブルゴーニュ界でも “若き才人” として早くから注目を集めてきた醸造家です。
ボーヌ出身で、ブドウ栽培家の家系ではなかったにもかかわらず、10代からぶどうや醸造にのめり込み、地元のリワイン専門学校。
その後、ボルドーのコス・デストゥルネル、オレゴンのドロウィン、そしてルイ・ジャドなどで経験を積み、1999年にはわずか24歳で名門ドメーヌ・コント・アルマンに技術責任者として迎えられます。
そのポジションを15年にわたって務めながら、自身のネゴス・プロジェクトを進め、2007年には正式に「Benjamin Leroux」名義のワイン造りを始めました。
ルルーのスタイルを語るうえで不可欠なのが、「土地(テロワール)を尊重し、ブドウそのものの個性を立たせる」ことに重きを置く姿勢です。
自ら選んだ栽培農家とは長期契約を結び、収穫時期や収量、栽培方法(オーガニックやビオディナミ/有機農法へ移行)などを厳密に管理します。
醸造では、白ワインにおいては全房プレス、自然酵母発酵、熟成にはタンク・古樽・大型樽やアンフォラ(甕)などを使い分け、樽香を押し付けず果実とミネラルの透明感を残すアプローチを採ります。
彼の領域は優れたテロワールを追求することで拡がっており、シャサーニュ=モンラッシェからジュヴレ=シャンベルタン、ヴォルネイ、ニュイ・サン=ジョルジュまで幅広いアペラシオンをカバー。
少量生産で丁寧に造られた彼のワインは、評価家たちから「思慮深い、ブルゴーニュの静かな巨匠」などと称され、ブルゴーニュの新たな世代を代表する存在の一人と見なされています。
Bourgogne Blanc 2021
バンジャマン・ルルーのブルゴーニュ・ブラン2021 は、果実味とミネラル感の調和が際立った魅力的な1本です。
香りには青リンゴ、レモンの皮、ほのかなペトロール香が感じられ、爽やかさと余韻の深さを予感させます。
味わいは中程度のボディで、瑞々しい酸と果実の厚みがバランスを取りながら、じんわりと広がる印象。
骨格はしっかりしつつ、重苦しさとは無縁です。
また、標高と畑の選定、醸造スタイルの工夫によってミネラル感や透明感が際立っており、飲み手をじっくり引き込む力があります。
醸造では、伝統的なフレンチオークに加え、アンフォラ(陶器製の甕)を一部使用。
樽由来の香りを抑え、果実のピュアさとテロワールのニュアンスを最大限に引き出しています。
228Lの古樽と大型フードル、さらにアンフォラを併用し、自然酵母で発酵。
澱とともに静かに熟成させ、清澄と軽いフィルターを経て瓶詰めされます。
このスタイルは、ルルーが得意とする「樽香を前面に出さず、果実/テロワールを際立たせる」方向性とぴったり。
時間をおいて開かせても魅力が増す可能性があり、今後の熟成ポテンシャルも含めて注目に値するワインと言えるでしょう。
ペアリング
Bourgogne Blanc 2021 / Benjamin Leroux は、アンフォラによる熟成がもたらすピュアでまろやかな味わいが魅力。
土由来のミネラル感と果実の透明感が美しく調和し、丸みと柔らかい口当たりが感じられます。その繊細な風味には、素材の味を生かした料理がよく合います。
おすすめは、鯛やスズキなど白身魚のカルパッチョ、鶏むね肉の蒸し焼き、オリーブオイルを使った野菜のグリル。
ワインの持つやさしい酸とミネラルが、素材のうま味を引き立てます。
また、ホタテのソテーやタコのマリネのような、軽い旨みを伴う海鮮料理とも好相性です。
フレッシュチーズや白カビ系チーズなどと合わせると、滑らかな質感とやさしい果実味が料理を包み込み、穏やかで心地よい余韻を生み出します。
まとめ
Bourgogne Blanc 2021 / Benjamin Leroux は、ムルソーの果実味とアンフォラ由来のピュアな透明感が共存する、現代的なブルゴーニュ・ブランです。
樽のニュアンスに頼らず、ブドウ本来の風味とテロワールの息づかいをそのまま表現する姿勢は、バンジャマン・ルルーならでは。
口当たりはやわらかく、レモンや白桃の果実味に加え、土壌のミネラルが静かに広がり、時間とともに深みを増していきます。
ゆっくりと温度を変えながら味わうことで、冷えた時のシャープな酸から、温度が上がるにつれて現れる丸みのある果実味まで、表情の変化をお楽しみいただけます。
ナチュラルで静謐なワインをじっくり味わいたい夜に。
ブルゴーニュの伝統と新しい感性が交差する一本を、銀座のSHINOWINEで心ゆくまでご堪能ください。
はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。
2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。
SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。
お料理もできる限り手作りにこだわりました。
看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。
一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。
皆様のご来店をお待ちしております。
SHINOWINE
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階