【ブルゴーニュワインの格付け】それぞれの特徴と具体例

ブルゴーニュワインの格付けは、その地域の地理的特性と歴史に基づいています。

主に4つの格付けがあります:グラン・クリュ(Grand Cru)、プルミエ・クリュ(Premier Cru)、村名ワイン(Village)、そして地域名ワイン(Régionale)です。

グラン・クリュは最も高い評価を受けるワインで、特定の単一畑から生産されます。

プルミエ・クリュは次に高い格付けで、村名と畑名がラベルに表示されます。村名ワインは特定の村のブドウから生産され、地域名ワインはブルゴーニュ全域のブドウから作られます。

この精緻な格付けシステムにより、ブルゴーニュワインはその多様性と品質で愛好家に高く評価されています。

 

今回は、ブルゴーニュワインの格付けについて、できる限りわかりやすく、丁寧に解説をします。

 

ブルゴーニュワインの格付け

総論

ブルゴーニュワインの格付けは、その独特な地理と長い歴史に基づいて精密に構築されています。

ブルゴーニュ地方のワインは主に4つの主要な格付けに分けられます。これらは、グラン・クリュ(Grand Cru)、プルミエ・クリュ(Premier Cru)、村名ワイン(Village)、そして地域名ワイン(Régionale)です。

 

1. グラン・クリュ(Grand Cru):

ブルゴーニュで最も高い評価を受けるワインで、全体の約2%を占めます。

これらのワインは特定の単一畑から生産され、その畑の名前だけでラベルに表示されます。たとえば、ロマネ・コンティやモンラッシェなどが有名です。

 

2. プルミエ・クリュ(Premier Cru):

グラン・クリュに次ぐ格付けで、全体の約10%を占めます。

プルミエ・クリュのワインは村の名前と畑の名前がラベルに表示され、例えば「シャブリ・プルミエ・クリュ モンマン」などがあります。

 

3. 村名ワイン(Village):

村名ワインは特定の村のブドウから生産され、その村の名前がラベルに表示されます。

ブルゴーニュ全体の約35%を占めるこのカテゴリーには、ジュヴレ・シャンベルタンやポマールなどがあります。

 

4. 地域名ワイン(Régionale):

最も一般的な格付けで、ブルゴーニュ全体の約53%を占めます。

これらのワインはブルゴーニュ全域のブドウから生産され、「ブルゴーニュ・ルージュ」や「ブルゴーニュ・ブラン」などが含まれます。

 

ブルゴーニュワインの格付けは、その地域のテロワール(地理的特徴)が大きく反映されており、畑ごとの微細な違いがワインの品質と特徴に大きな影響を与えます。

これにより、ブルゴーニュワインは他のワイン産地と比較しても非常に多様性に富み、愛好家から高く評価されています。

 

以下に、それぞれについてみていきたいと思います。

 

グランクリュ(特級)

ブルゴーニュワインのグラン・クリュ(Grand Cru)は、ブルゴーニュ地方で最高峰とされる格付けで、全体の約2%を占める極めて希少なワインです。

グラン・クリュの畑は特定の地理的条件と長い歴史に基づいて選ばれており、その畑名だけがラベルに表示されます。

例えば、ロマネ・コンティ、モンラッシェ、ラ・ターシュなどが有名です。

これらの畑は、独特のテロワール(地理的特徴)を持ち、その土地固有の風味と香りを持つワインを生み出します。

 

グラン・クリュの畑は通常、最適な日照条件と排水性の良い土壌を持つ南東向きの斜面に位置しており、これがブドウの成熟に理想的な環境を提供します。

これにより、ワインは深い色合いと複雑な風味、長い熟成能力を持つことが特徴です。

 

生産量が限られているため、グラン・クリュのワインは非常に高価であり、その品質と希少性から世界中のワイン愛好家やコレクターに高く評価されています。

各ヴィンテージ(収穫年)ごとに微妙な違いがあり、これがまたグラン・クリュの魅力の一つとなっています。

ブルゴーニュのグラン・クリュは、その卓越した品質と深い歴史によって、ワインの芸術とも言える存在です。

 

プルミエクリュ

ブルゴーニュワインのプルミエ・クリュ(Premier Cru)は、グラン・クリュに次ぐ高い評価を受ける格付けです。

ブルゴーニュ全体の約10%を占め、優れた品質と特有の風味を持つワインを生み出します。プルミエ・クリュのワインは、特定の村内にある一流の畑から生産され、その畑名と村名がラベルに表示されます。

例えば、「シャブリ・プルミエ・クリュ モンマン」や「ヴォルネー・プルミエ・クリュ カイユレ」などが典型的です。

 

これらの畑は、適度な日照、理想的な土壌条件、そして優れた排水性を持つ斜面に位置しています。

これにより、ブドウは均一に成熟し、複雑でバランスの取れたワインを生み出します。

プルミエ・クリュのワインは、果実味と酸味のバランスが良く、芳醇なアロマと深い味わいが特徴です。

 

プルミエ・クリュの畑は村名ワインよりも高い品質を保証しながらも、グラン・クリュほどの希少性はないため、比較的手に入れやすく、コストパフォーマンスに優れています。

このため、多くのワイン愛好家にとって理想的な選択肢となっています。

プルミエ・クリュは、その洗練された味わいと優れた品質から、ブルゴーニュワインの真髄を楽しむための重要なカテゴリーといえるでしょう。

 

村名クラス

ブルゴーニュワインの村名クラス(Village)は、ブルゴーニュ地方で生産されるワインの中でも中間に位置する格付けで、全体の約35%を占めます。

これらのワインは特定の村のブドウから生産され、その村の名前がラベルに表示されます。

村名ワインは、その村の特徴を反映したワインで、品質と価格のバランスが良いため、多くのワイン愛好家に親しまれています。

 

村名クラスのワインには、ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォルネー、ムルソー、ポマールなどがあります。

それぞれの村は独自のテロワール(地理的特徴)を持ち、その特性がワインに反映されます。

例えば、ジュヴレ・シャンベルタンは力強く濃厚な赤ワインで知られ、ムルソーは豊かな果実味とバターのような風味が特徴の白ワインで有名です。

 

村名ワインは、プルミエ・クリュやグラン・クリュに比べて手頃な価格で手に入れることができるため、ブルゴーニュワインの魅力を気軽に楽しむことができます。

また、多くの村名ワインは比較的若いうちから楽しむことができ、熟成によってさらに複雑な風味を楽しむこともできます。

 

ブルゴーニュの村名クラスのワインは、その村の個性とブルゴーニュ全体の多様性を味わうための絶好の選択肢です。

品質と価格のバランスが良く、多くのワイン愛好家にとって初めてのブルゴーニュワインとしても適しています。