Morey-St-Denis Clos Solonは、華やかな評価や名声を背負った畑ではありません。
むしろ、土壌は比較的肥沃で水分を含みやすく、造り手には収量管理や病害への細やかな配慮が求められる区画とされています。
だからこそ、このワインをジャン=マリー・フーリエが手がけている、という事実に強く惹かれます。
古樹(Vieilles Vignes)から得られる凝縮した果実を、過度に作り込まず、あくまで自然な輪郭とシルキーな質感として表現する──Clos Solonは、Fourrierの哲学が静かに、しかし誠実に映し出された一本です。
Morey St. Denis Clos Solon V.V. 2018 / Fourrier
Fourrier
Domaine Fourrier は、ブルゴーニュの中でも「過度な演出をしない」姿勢を貫く造り手として知られています。
ジャン=マリー・フーリエは、畑仕事から醸造に至るまで人為的な介入を極力抑え、ブドウ本来の質感と表情を丁寧に引き出すことを大切にしています。
完全除梗や穏やかな抽出、低めに抑えた新樽比率といった選択も、スタイルを誇示するためではなく、果実の純度を損なわないためのものです。
フーリエのワインは一見すると控えめで、華やかな主張はありませんが、グラスの中ではシルクのような滑らかな舌触りと、自然に広がる果実味が静かな説得力をもって伝わってきます。
特級畑や一級畑に限らず、評価が分かれる区画においてもその哲学は一貫しており、畑の個性を歪めず、端正に整える点にフーリエらしさが表れています。
Clos Solon
Clos Solon(クロ・ソロン)は、モレ・サン・ドニ村に位置する区画で、比較的肥沃で水分保持力のある土壌を持つことで知られています。
そのため、ミネラルの鋭さや張り詰めた緊張感を前面に出す畑というよりは、果実味が豊かで、丸みのあるワインになりやすい性質を備えています。
一方で、収量管理や抽出が強すぎると、野暮ったさや重さが出やすいという難しさも併せ持っています。
こうした畑を、Domaine Fourrier が手がけている点は非常に興味深いと言えるでしょう。
フーリエは完全除梗と穏やかな抽出を基本とし、果実の質感を損なわない造りを徹底しています。
そのため、Clos Solonが持つ果実量は過剰さに傾くことなく、シルキーな舌触りと自然な厚みとして表現されます。
華やかさで語る畑ではありませんが、造り手の哲学によって静かな完成度を備えた一本へと昇華されており、Clos Solonはフーリエの美学を理解するうえで欠かせない存在です。
Morey St. Denis Clos Solon V.V. 2018
Morey St. Denis Clos Solon V.V. 2018 は、モレ・サン・ドニ村に位置するクロ・ソロンの古樹から造られる一本です。
比較的肥沃で水分保持力のある土壌を持つこの区画は、鋭いミネラルや緊張感よりも、果実の量感と柔らかさが表れやすい特徴があります。
Domaine Fourrierは、その特性を理解したうえで、完全除梗と穏やかな抽出を行い、果実の純度と質感を丁寧に引き出しています。
2018年ヴィンテージらしい成熟した果実味があり、グラスからは赤系果実やブラックチェリー、ほのかなスパイスのニュアンスが穏やかに広がります。
口当たりは非常になめらかで、タンニンは細やかかつ丸みがあり、過度な重さを感じさせません。
酸は穏やかで中盤に厚みがあり、余韻にはモレらしい落ち着いた果実の甘やかさが残ります。
派手さはありませんが、飲み進めるほどに心地よさが増す、フーリエらしい端正さを備えた味わいです。
ペアリング
Morey St. Denis Clos Solon V.V. 2018 は、果実味に厚みがありながらも、タンニンは滑らかで主張しすぎないため、素材の旨みを活かした料理との相性が際立ちます。
まずおすすめしたいのは、鶏や豚といった白身寄りの肉料理です。
鶏もも肉のローストや鴨の軽い火入れは、ワインの柔らかな果実味と自然に溶け合い、重たさを感じさせません。
また、きのこを使った料理も好相性で、ソテーやクリームを控えめに使った一皿であれば、ワインの中盤の厚みと土のニュアンスが引き立ちます。
チーズであれば、熟成の進みすぎていないウォッシュや、しっとりとしたハードタイプがおすすめです。
力強いソースや過度なスパイスは避け、素材感を大切にした料理を選ぶことで、このワインが持つ穏やかな完成度と心地よい余韻をより深く楽しむことができます。
まとめ
Morey St. Denis Clos Solon V.V. 2018 は、華やかな評価に支えられたワインではありませんが、造り手の哲学と畑の個性が静かに噛み合った、誠実さのある一本です。
果実の厚みと滑らかな質感、飲み進めるほどに増す心地よさは、Domaine Fourrier ならではの表現と言えるでしょう。
派手さよりもバランスを重んじる方にこそ、ゆっくり向き合っていただきたいワインです。
SHINOWINE では、こうした“語れる一本”を大切にしています。
グラスを傾けながら背景に耳を傾ける時間を、ぜひカウンターでお楽しみください。

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。
2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。
SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。
お料理もできる限り手作りにこだわりました。
看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。
一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。
皆様のご来店をお待ちしております。
SHINOWINE
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階
