ジュヴレ=シャンベルタンの中心にある「クロ・プリウール」は、“修道院の副院長”を意味する名を持つ、ちょっと由緒正しい一級畑。
マジ=シャンベルタンのすぐ下、ラヴォー渓谷の扇状地に広がり、下部は粘土質でふくよかに、上部は石灰質でミネラル感のある、立体的な味わいが魅力です。
ドルーアン=ラローズが手がける2017年は、やや涼しい年らしい繊細さと、熟した赤い果実の香りが心地よく広がる一本。
ジュヴレらしい力強さの中にも優しさがあり、思わずもう一杯飲みたくなるバランスの良さです。
Gevrey Chambertin Clos Prieur 2017 / Drouhin Laroze
Drouhin Laroze
ドルーアン・ラローズは、ジュヴレ=シャンベルタン村に本拠を構える、家族経営の名門ドメーヌです。
創業は1850年と古く、ブルゴーニュでも屈指の長い歴史を誇ります。
現在は6代目のフィリップ・ドルーアンと娘のキャロリーヌが中心となり、伝統を守りながらもモダンな感性を取り入れたワイン造りを続けています。
所有畑は約12ヘクタール、シャンベルタンやクロ・ド・ベーズ、ラトリシエール=シャンベルタンといったグラン・クリュをはじめ、クロ・プリウールなど一級畑も多数。
畑ごとの個性を大切にし、区画ごとに丁寧な醸造を行うのが特徴です。
果実味の純度を重視しつつ、樽香は控えめでエレガント。
ジュヴレ=シャンベルタンらしい骨格と深みを保ちながら、滑らかで親しみやすいスタイルに仕上げるその手腕は、多くのブルゴーニュ愛好家から高く評価されています。
Gevrey Chambertin Clos Prieur 2017
2017年のクロ・プリウールは、ジュヴレ=シャンベルタンらしい力強さの中に、年の特徴であるしなやかさと親しみやすさが感じられる仕上がりです。
グラスに注ぐと、ラズベリーやチェリーの赤い果実の香りに、スミレや紅茶のような繊細なニュアンスが重なります。
口に含むと、熟した果実の甘やかさとともに、きめ細かなタンニンがやさしく広がり、余韻にはミネラルとスパイスのアクセントが残ります。
重たすぎず、しかし確かな骨格を持つバランスの取れたスタイルで、若いうちから楽しめる一方、数年の熟成でより深みが増していくポテンシャルも備えています。
ドルーアン・ラローズらしいエレガンスと、クロ・プリウール特有の奥行きが見事に調和した、クラシカルで上品な一本です。
ペアリング
ジュヴレ=シャンベルタンらしい厚みのある果実味と、2017年らしいやわらかなタンニンを併せ持つこのワインは、香ばしさや旨味を感じる料理と相性抜群です。
鴨や牛ほほ肉など赤身肉の煮込み料理はもちろん、シンプルなローストにもぴったり。
例えば「鴨のコンフィ」や「ビーフシチュー」のような一皿なら、果実の甘みと肉の旨味が重なり、ワインの奥行きがより一層際立ちます。
また、熟成によるきのこや紅茶のニュアンスには「トリュフ入りパテ」や「熟成チーズ」も好相性。
意外なところでは、ほんのりスパイスを効かせたラムのグリルや、ポルチーニのリゾットもおすすめです。
華やかさと深みのバランスに優れた一本なので、ワインを主役にゆったりとした時間を楽しみたい夜にも最適です。
まとめ
クロ・プリウール2017は、ジュヴレ=シャンベルタンの力強さと、ドルーアン・ラローズらしい上品さが絶妙に溶け合う一本です。
果実味としなやかなタンニン、そして穏やかな余韻が心地よく、グラスを重ねるほどに魅力が増していきます。
SHINOWINEでは、このワインを通じてブルゴーニュの深みと優しさをゆっくり感じていただけます。
華やかすぎず、静かに語りかけてくるような赤ワイン。
落ち着いた夜の時間に、ゆったりと味わってみてください。
はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。
2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。
SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。
お料理もできる限り手作りにこだわりました。
看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。
一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。
皆様のご来店をお待ちしております。
SHINOWINE
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階