ヴァンサン・ジラルダン ペルナン・ヴェルジュレスの特徴と味わい

ブルゴーニュ・コート・ド・ボーヌの北端、ペルナン・ヴェルジュレス村。

その静謐な丘陵で育まれるシャルドネの真価を引き出すのが、名門ドメーヌ「ヴァンサン・ジラルダン」です。

2021年の「ペルナン・ヴェルジュレス・レ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」は、古樹ならではの凝縮感と、ミネラルが際立つ端正な仕上がりが魅力。

 

冷涼な気候条件の影響で収量は減少しましたが、その分果実は引き締まり、繊細で緻密な酸とともに気品あるアロマが広がります。

白い花や熟した柑橘、洋梨に加え、樽由来のバニラやヘーゼルナッツのニュアンスが織り交ざる香り。

口に含めば、瑞々しい果実味とともに、石灰質土壌由来のミネラルが骨格を形作り、全体を引き締めます。

シャルドネのエレガンスとジラルダンの精緻な醸造技術が調和した、食中に映えるブルゴーニュ白の好例と言えるでしょう。

 

ヴァンサン・ジラルダン ペルナン・ヴェルジュレスの特徴と味わい

ぺルナン・ヴェルジュレスの特徴

ブルゴーニュ地方コート・ド・ボーヌ地区の最北端に位置する「ペルナン・ヴェルジュレス(Pernand-Vergelesses)」は、アロース・コルトンやサヴィニー・レ・ボーヌと隣接し、白・赤両方の高品質なワインを生み出すアペラシオンです。

この村は、グラン・クリュである「コルトン・シャルルマーニュ」や「コルトン」の一部も含み、特に標高の高い区画では冷涼な気候を活かしたミネラル感あふれる白ワインが高評価を得ています。

 

主なブドウ品種は、白にはシャルドネ、赤にはピノ・ノワールが使われ、白ワインは引き締まった酸と石灰質由来のミネラルが特徴で、赤ワインは軽やかでありながらも繊細な果実味とスパイス感を持ちます。

畑の向きや標高により多様なスタイルが存在し、テロワールの多様性を楽しめる点も魅力です。

 

著名な一級畑(プルミエ・クリュ)としては「レ・ヴェルジュレス(Les Vergelesses)」「イレ・デ・ヴェルジュレス(Ile des Vergelesses)」があり、特に後者は赤ワインの秀逸な品質で知られています。

生産者の丁寧な栽培と醸造により、ブルゴーニュらしいエレガンスと長期熟成のポテンシャルを兼ね備えた銘醸地として注目を集めています。

 

生産者ヴァンサン・ジラルダンとは?

ヴァンサン・ジラルダンは、ブルゴーニュ・サントネ村の葡萄栽培家の家系に生まれ、1980年に19歳でわずか2haの畑から独立。

サントネ発祥のドメーヌながら、現在はムルソーに醸造所を構え、白ワインの銘醸地として知られる地で高品質なワイン造りを行っています。

 

テロワールを忠実に表現するスタイルが持ち味で、シャルドネもピノ・ノワールも、樽香を控えつつ果実味と酸のバランスを活かした繊細な味わいが特徴。

2009年以降はビオロジックやビオディナミ農法を積極的に導入し、自然と共生するサステナブルなワイン造りに注力しています。

 

現在は醸造責任者エリック・ジュルマンがその精神を受け継ぎ、洗練されたエレガンスとムルソーならではのミネラル感を備えたワインで、世界中のワインラヴァーを魅了し続けています。

 

Pernand Vergelesses 2021ヴィンテージの特徴

コート・ド・ボーヌ北端、ペルナン・ヴェルジュレスAOCに位置する「Les Vieilles Vignes」は、標高約250~300m、東向きの斜面に広がる粘土石灰質~マール土壌で育つ平均樹齢35年以上の古木シャルドネから造られます。

高樹齢ゆえの凝縮した果実味とミネラルの芯が特徴で、涼しい気候と標高が酸の鮮明さと縦の構造感をもたらします。

 

2021年ヴィンテージは、春の霜害や梅雨の長雨による収量減と成熟の遅れという挑戦的な条件下で育成されましたが、9月以降の北風と晴天により乾燥した夜間が酸を保ちつつ果実を整えた年となりました。

結果として収穫量は例年の半分程度とされましたが、品質は損なわれず、透明感あるテロワール表現が得られました。

 

香りにはアカシア等白い花、蜂蜜、スパイスの複雑なニュアンスがあり、口中ではミネラリーで滑らかな酸と調和したバランスが印象的。

余韻には白い花や柑橘、ナッツ系のほのかな香味が長く続きます。

しっかりとしたボディを酸とミネラルが支え、柔らかな広がりを持ちます。

総じて、Pernand‑Vergelesses 2021は、古樹のテロワール力とヴィンテージ特有の厳しい気候条件により研ぎ澄まされたシャルドネです。

 

ペアリング

清冽な酸とミネラル感、そして程よい果実のふくらみと樽由来のニュアンスは、繊細ながら奥行きのある料理と高い親和性を見せます。

まず王道は、白身魚のグリルやポワレ。

特にレモンバターやブールブランソースを添えた舌平目やスズキは、ワインの酸と塩味が見事に調和します。

 

また、鶏肉のクリーム煮や鶏もも肉のローストなど、軽めの乳製品を使った料理とも好相性。

ワインのバニラ香やナッツの風味が料理のコクと共鳴します。

和食との相性も抜群で、白身魚の昆布締めや、銀だらの西京焼き、天ぷら(特にキスや帆立)などは、ワインの持つ繊細な旨みと絶妙にマッチします。

 

加えて、ブリア・サヴァランやシャウルスなどのクリーミーな白カビ系チーズとも好相性で、アフターに広がるミネラルと酸がチーズのコクを引き締めてくれます。

このワインは、味わいのバランスが整っているため、食材の旨みを引き立てる「引き算の料理」に寄り添う一本です。

 

まとめ

ヴァンサン・ジラルダン「ペルナン・ヴェルジュレス・レ・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2021」は、古樹の力強さと冷涼なヴィンテージが織りなす、繊細で芯のあるブルゴーニュ白ワインです。

白い花や柑橘、ナッツの香りに、キレのある酸と豊かなミネラルが調和。

和食との相性も抜群で、白身魚の昆布締めや天ぷらとも美しく寄り添います。

銀座・SHINOWINEでは、上質を知る大人のお客様に向けて、食と静かに対話する一本としてご提案いたします。

静かな存在感と気品ある余韻を、ぜひお愉しみください。

 


 

 

はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。

2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。

 

SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。

 

お料理もできる限り手作りにこだわりました。

看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。

 

一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。

皆様のご来店をお待ちしております。

 

SHINOWINE

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階

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