ブルゴーニュの銘醸地ジュヴレ・シャンベルタン。
数多の名門ドメーヌが名を連ねるこの地で、静かに実力を蓄えてきたのがジャン=リュック&エリック・ビュルジェです。
2016年ヴィンテージは、春先の霜害と夏の恵まれた気候が織りなす複雑な年。
それだけに、生産者の力量が如実に表れる年でもあります。
このビュルジェのジュヴレ・シャンベルタン2016は、果実の凝縮感と骨格のあるタンニン、そしてブルゴーニュらしい繊細なミネラル感が調和し、ヴィンテージの特徴を見事に昇華させています。
伝統を尊重しつつも、今なお家族経営で丁寧な栽培と醸造を続ける彼らの姿勢が、グラスの中にしっかりと映し出されています。
静かな実力派の1本として、ぜひ注目したいワインです。
Gevrey Chambertin 2016 / Jean Luc et Eric Burger
Gevrey Chambertin 2016
ジャン=リュック&エリック・ビュルジェによる2016年のジュヴレ・シャンベルタンは、力強さと繊細さを併せ持つ見事な1本です。
春の霜に見舞われたこの年は収量が低下したものの、夏の安定した気候によって果実は健全に成熟。
樹齢の高い区画から選りすぐりのブドウを用い、丹念な手作業と天然酵母での発酵により、深みのある果実味と緻密なタンニン、そして清らかな酸を備えたワインに仕上げました。
ミネラルと野性的なニュアンスが奥行きを生み、今も熟成の余地を残す、静かな実力派です。
Jean Luc et Eric Burger
ドメーヌ・アラン・ビュルジェは、1970年代にアラン・ビュルジェによって創業され、現在は息子のジャン=リュックとエリックが引き継ぐ家族経営のドメーヌです。
拠点はブルゴーニュの名醸地、ジュヴレ・シャンベルタン。
1980年代からビオロジック栽培を実践し、除草剤を用いず、耕作や草生栽培によって土壌とブドウの健全さを保っています。
バイオダイナミックの手法も取り入れつつ、あくまで自然と向き合う独自の哲学を貫いており、認証にはこだわっていません。
収量は1haあたり25~35hlと極めて低く、三段階の選果を経て厳選されたブドウのみを使用。
発酵は天然酵母、熟成にはフレンチオーク(新樽比率は控えめ)を用い、ノンフィルター・ノンファイニングで瓶詰めされます。
樹齢の高い区画を主体としたキュヴェ「Mes Favorites」などに象徴されるように、ビュルジェのワインは果実の凝縮感と野趣、そしてテロワールの表現に優れ、ジュヴレ・シャンベルタンの本質を静かに語るスタイルです。
味わい
ジャン=リュック&エリック・ビュルジェのジュヴレ・シャンベルタン2016は、冷涼なヴィンテージならではの洗練された味わいが魅力です。
グラスに注ぐと、ダークチェリーやブラックラズベリー、スミレ、ラベンダーの華やかなアロマに、土やスパイス、わずかな野生的ニュアンスが奥行きを与えます。
口に含むと、しっかりとした酸と繊細なタンニンが骨格を支え、果実の純度の高さとミネラル感が一体となって広がります。
アタックは柔らかく、徐々に旨味と複雑さが膨らみ、フィニッシュには黒系果実やリコリス、わずかなハーブが長く残ります。
過熟感のないクリーンな果実味が際立ち、口当たりはしなやかで、エレガントな余韻を楽しめます。
数日経っても崩れない構造は、このワインの熟成ポテンシャルを物語っています。
ジュヴレらしい力強さと、ビュルジェの自然な醸造哲学が融合した、静かなる表現力を湛えた1本です。
ペアリング
ジャン=リュック&エリック・ビュルジェのジュヴレ・シャンベルタン2016は、しなやかな果実味と緻密なタンニン、そして土壌由来のミネラルが調和した奥行きある味わいが特徴です。
こうした構造を持つワインには、風味の重なりや旨味のある料理とのペアリングが特に相性良く楽しめます。
たとえば、赤身肉のロースト(鴨のロティや仔羊の香草焼き)などは、ワインの果実の厚みと酸が脂を切り、タンニンが肉の旨味をより深く引き出してくれます。
また、ジビエ料理や鹿の赤ワイン煮といった土の香りを感じさせる料理も、ワインのアーシーなニュアンスと絶妙に調和します。
さらに、マッシュルームや黒トリュフを使ったリゾット、セップ茸のソテーなどのキノコ料理とも好相性。
レンズ豆や根菜を煮込んだ温かみのある料理も良いでしょう。
フランス産ウォッシュタイプのチーズ(エポワスやラミ・デュ・シャンベルタン)とも素晴らしいマリアージュを見せてくれます。
まとめ
ジャン=リュック&エリック・ビュルジェのジュヴレ・シャンベルタン2016は、自然なアプローチから生まれる純粋な果実味と、ヴィンテージ由来の緊張感が共存する1本。
凝縮感がありながら繊細さを失わず、熟成によってさらに複雑さを増しています。
自然派の真髄を感じさせる、通好みのブルゴーニュとしてぜひ一度ご体験ください。
はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。
2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。
SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。
お料理もできる限り手作りにこだわりました。
看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。
一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。
皆様のご来店をお待ちしております。
SHINOWINE
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階