ブルゴーニュ地方の赤ワインの聖地として名高いヴージョ村。
その中心に位置するグラン・クリュ「クロ・ド・ヴージョ」があるヴージョでは、ほとんどがピノ・ノワールで占められている中で、わずかに存在する白ワイン専用区画が「クロ・ブラン・ド・ヴージョ」です。
中世のシトー派修道士たちが、特別な場所として白ワイン用に開墾したこの歴史的区画は、今もなお神秘的な存在感を放っています。
中でも「ラ・ヴージュレ」が手がけるクロ・ブラン・ド・ヴージョは、そのテロワールの個性と生産者の哲学が見事に融合した、希少かつ上質な一本。
オーク樽のニュアンスとミネラル感、緊張感のある酸と熟成ポテンシャルを兼ね備えたこのワインは、ブルゴーニュの白の可能性を改めて感じさせてくれます。
本記事では、SHINOWINEのおすすめワインとして、その魅力と背景、そして実際にテイスティングした感想を交えながら、「クロ・ブラン・ド・ヴージョ・ヴージュレ」の世界をじっくりと紐解いていきます。
Clos Blanc de Vougeot Vougeraie(クロ・ブラン・ド・ヴージョ ヴージュレ)の特徴とポイント
基礎知識
クロ・ブラン・ド・ヴージョは、ブルゴーニュ地方コート・ド・ニュイ地区のヴージョ村に位置する、極めて希少な白ワインのプルミエ・クリュです。
ヴージョ村の銘酒、特級畑「クロ・ド・ヴージョ」はピノ・ノワール主体の赤ワインが造られますが、その畑に隣接する区画が白ワイン専用区画「クロ・ブラン・ド・ヴージョ」です。
中世、シトー派修道士によって開墾され、薬草や白ブドウを育てたとされる聖なる区画で、主にシャルドネ、補助的にピノ・ブランが使用されます。
粘土石灰質土壌と冷涼な気候が生むキレのある酸とミネラル感が特徴で、熟成に耐える力もあります。
ブルゴーニュ白の中でも異彩を放つ存在として、世界中のワイン愛好家から注目されています。
クロ・ブラン・デュ・ヴージョの味わい
クロ・ブラン・ド・ヴージョの味わいは、ブルゴーニュ白の中でもひときわ奥深く、荘厳な印象を与えます。
まず感じられるのは、レモンや青リンゴ、白い花といったピュアで繊細なアロマ。
その後に、アーモンドやヘーゼルナッツ、ハチミツのようなふくよかな香りが重なり、時間とともに複雑さを増していきます。
口に含むと、冷涼な産地ならではの張りのある酸が全体を引き締め、ミネラルの存在感が際立ちます。
中盤からは樽熟成由来のバニラやトースト香がなめらかに溶け込み、品格あるボディが余韻へと導きます。
若いうちは緊張感のある味わいですが、5〜10年の熟成を経ることで、まろやかさと奥行きが増し、真価を発揮します。
シャブリとムルソーの中間のような、独特の存在感が魅力の一本です。
ドメーヌ・ラ・ヴージュレ(La Vougeraie)
ドメーヌ・ラ・ヴージュレ(La Vougeraie)は、ブルゴーニュの名門ボワセ・ファミリーが1999年に設立した比較的新しいドメーヌですが、その品質の高さと哲学の深さから、短期間で注目の存在となりました。
所有畑はコート・ドール全域に広がり、グラン・クリュを含む優良区画を多数保有していますが、中でも象徴的なのがクロドヴージョの北側に隣接する「クロ・ブラン・ド・ヴージョ」です。
ラ・ヴージュレは、この希少な白ワイン区画を単独所有しており、有機栽培・ビオディナミ農法を早くから導入。
土壌の生命力とテロワールの個性を最大限に引き出すことを理念としています。
醸造は極めて丁寧で、天然酵母による発酵、バトナージュを控えた慎重な熟成が特徴。ワインは緊張感とエレガンスを兼ね備え、熟成によって驚くほどの深みを見せます。
ラ・ヴージュレのクロ・ブラン・ド・ヴージョは、「テロワールを語る白」と称されるほど、土地と造り手の思想が反映された逸品です。
以下はヴージュレが手掛けるワインのリストです。
BATARD MONTRACHET (vin blanc)
BEAUNE 1ER CRU – Clos du Roi (vin rouge)
BEAUNE 1ER CRU – Les Grèves (vin rouge)
BIENVENUE-BATARD-MONTRACHET (vin blanc)
BONNES MARES (vin rouge)
CHAMBOLLE-MUSIGNY (vin rouge)
CHARMES-CHAMBERTIN (vin rouge)
CHASSAGNE-MONTRACHET 1ER CRU – La Maltroie (vin rouge)
CHEVALIER-MONTRACHET (vin blanc)
CLOS DE VOUGEOT (vin rouge)
CORTON-CHARLEMAGNE (vin blanc)
GEVREY-CHAMBERTIN 1ER CRU – Bel Air (vin rouge)
MUSIGNY (vin rouge)
NUITS-SAINT-GEORGES 1ER CRU – Les Damodes (vin rouge)
NUITS-SAINT-GEORGES 1ER CRU – Clos des Corvées Pagets (vin rouge)
POMMARD 1ER CRU – Les Charmots (vin rouge)
PULIGNY-MONTRACHET 1ER CRU – Champ Gain (vin blanc)
VOSNE-ROMANEE (vin rouge)
VOUGEOT 1ER CRU – Le Clos Blanc (vin blanc)
VOUGEOT 1ER CRU – Les Cras (vin rouge)
はじめまして。銀座6丁目にあるワインバー SHINOWINEのオーナー池部紫乃です。
2022年にソムリエ資格を取得し、その後もワインの学習を続け、2025年3月に念願の自分のワインバーをオープンしました。
(写真はシャンボールミュジニー村のレザムルーズの泉)
SHINOWINEでは、ブルゴーニュ、シャンパーニュを中心に、気軽に楽しめるグラスワインから、本格的なボトルワインまで幅広くご用意しています。
お料理もできる限り手作りにこだわりました。
看板メニューのブッフブルギニョンは1年かけて自身最高のレシピを作り上げました。様々なお店も研究し、「パリ1番のブッフブルギニョン」と評されたお店でも味わいました。
一軒目でしっかりとしたお食事とワインをいただきたい方にも、二軒目使いにもお勧めのお店です。
皆様のご来店をお待ちしております。
SHINOWINE
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−14 方圓ビル3階